第40話 サイクロプスとの決着(四天の場合)
「わぁああああああーーーー!!」
「ホラホラ! 私の魔法が完成するまでは、気合いを入れて走るぞえよ!!」
泣き叫ぶ騎士団長の肩車に乗ってサイクロプスの脅威から逃れてる間、私は懸命にヤツの
ドスンッ!!
「うおっ! こんなにデカい岩が目の前にっ……ま、まだですか四天殿!!」
「まだぞえ! もう少しだけ耐えるぞえよ!!」
なんてやり取りを何回も繰り返すなか、サイクロプスの暴れっぷりは一段と激しくなっていく!
「こ、これは……本気で気張らないダメそうぞえね」
改めて気を引き締めていると、不意に辺りが影で暗くなり……
「四天殿!!」
声に反応して慌てて頭上を見上げると!?
「しまったぞえ!」
何と、巨大な足の裏が我々を踏み潰そうと間近にまで迫っているではないか!!
「ひぇーーーー!!」
車役の団長は猛スピードで走るが、これでは間に合わない!
「くっ……
諦めかけたその時だった!
「グギャアアアアアアアアーーーー!!!」
悲鳴と共にサイクロプスがバランスを崩したおかげで、踏み潰そうとする足が別方向へ反れて難を逃れる!
「ふぅ、どうやら羽人が何かをやってくれたよう……危ないぞえ!!」
続けて何か重い物が落ちて来たかと思えば、今度は途方もなく大きな指がそこにあった!
「ハハハ……ホントにやってくれたぞえな。だったら私も負けられないぞえ!」
魔力を集中し、魔法の完成を急ぐ!
パァン! パァン!
「ブギャアアアアアアアアーーーーー!!!!」
鳴り響く銃声と悲痛な悲鳴。暴れ狂うサイクロプスからどうにか逃げ続けてると……
「で、できたぞえ! 団長、そのまま真っ直ぐに進むぞえよ!!」
「了解であります四天殿!」
完成した魔法の射程範囲にまで一気に接近し、
「さぁ、ここからが私の
薄い氷が割れる様にシールドを砕いた後は……
「今だ! 連続ウインドアローーーーー!!」
ここが好機とばかりに数十、数百の真空の矢を使ってサイクロプスの全身を貫く!!
「ギャバアアアアーーーー!!」
血しぶきを舞い上げて苦しむ巨体。そこへ、さらにダメ押しになる強力な魔法を撃ち込む!
「
空気中に大規模な
「ーーーーーーーー!!!」
その結果、サイクロプスは一切の叫び声を上げる余裕もないままに全身を焼かれ、最後は巨大な消し炭へとなって絶命する!!
「ふぅ、これで一丁上がりぞえ♪」
ようやく魔物を倒して安堵してると、未だ車役を続ける団長から声がかかる。
「お見事です四天殿。さすがは世界二大巨頭です!!」
極々ありふれた称賛の言葉。ただ今回に限っていえば、その言葉が本当に誇らしげ思えたのは言うまでもない。
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