第3話『化粧』

「私、46歳でキチンとお化粧して外出するの人生で3回目なの」

 彼女は突然そう告げた。

 確かにいつもは基礎洗顔だけで下地も何もしてなかったな。


「何でまた急に?」

 洗面に立つ彼女の隣で聞いてみた。

「だってさ…」

 言いにくそうに口籠る彼女。俺は彼女をみる。

「…眉毛剃るの失敗しちゃった」


『化粧』

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