Insideout あとが? かきちらす メメメメメメモ
やあ、浮かない顔だね。人生に疲れ切ってるって感じだ。
ところで因果律というのは知っているかい? 難しい事じゃない。物事には原因と結果という至極当たり前があるってだけのことさ。何かがあって、何かが起きる。何かが起きたなら、何か原因がある。
この世界を構成する、最も大切な事由とされている。言ってしまえば、事象には光の速さを超えられないラグがあるってことだね。
やあ、浮かない顔だね。人生に疲れ切ってるって感じだ。
しかし科学の発展は、そんなラグが発生しない事象を見付けてしまった。量子力学が好きな人なら知っているかもしれないけど、量子もつれというやつだ。
詳しい説明をするとそれだけで本が一冊できちゃうから割愛するけど、とにかく全くの同時に原因と結果が発生するという例外だ。結果と結果が同時に発覚するといってもいい。
とにもかくにも、この世界の根本的な部分が崩壊した。告白すれば付き合えると思ってたのに、断られたみたいな大事件だ。
やあ、浮かない人生だね。疲れ切ってるって感じだ。
ところでこれを必死になって否定したい人もいるらしいけど、そもそもだね? 速さの説明自体がおかしかったよね。
ある野球選手は絶対に160キロを投げます。しかし150キロでした。なぜ? 空間が伸びたからだ。次は170キロでした。なぜ? 時間の流れが早かったからだ。これが光速度不変の原理。因果律の根拠になっているものさ。
明らかにおかしい話なのに、現実はそうなっている。いや、デジタルとしては正しいと言うのが現実か。レンダリングというやつだね。
やあ、疲れ切ってるね。浮かない人生って感じだ。
ああ、君が歴史に名を刻むような人物でなければ、躍起になって否定しようとしても無駄だよ? 静止系とv慣性系の数式上は、どうしようもないくらいこれが正しい事を指し示している。頭のいい人たちが一生懸命反証実験をして、悉く失敗した。皆この説が正しいと認めてしまったのだから。
そもそも私が口にしているのは、頭の悪いたとえ話さ。それを否定するのは詮無きことだろ?
ああ、違うね。多くの賢い人が認めた因果律。その根拠が崩れたという話をしてたんだったね。
やあ、浮かない顔だね。人生に疲れ切ってるって感じだ。
え? 何の話だって? そうだった。君にはこの物語を、『主人公殺人事件』と説明していたんだ。
だから君は因果関係が知りたい。誰が殺されて、誰が犯人なのか? 殺人に至った動機はなんなのか? そもそも主人公とは、どう定義されているのか?
そう。グレートアトラクターだ。人は精神的に、ある一定方向に引き寄せられている。
それが世界の法則。世界の真理。
因果関係が無ければ、この世界は破綻してしまうからね。なんでかって? 知らないよ。君が決めたんだろ。君にとっての真実が、君にとっての真実だ。それが他人にとっての真実にに干渉する事は無い。
世界を繋ぎとめるのも君だし、ゴミ箱に捨てるのも君だ。旧世界から脱却して、新しい世界を作り出すのもね。
やあ、って感じだ。
では0%の真実を追い求めてなさい。なんだったら、探偵みたいに謎解きをしてあげよう。
でもその前に、時計を見てみな? そう。6時66分だ。
やっとわかることが起きて、ワクワクしてきたでしょ? 因果関係が好きな、賢い君の思った通りだ。
痛みはないよ、一瞬さ。
あ、死んでしまう前に1つだけヒントをあげよう。
まだヒントなんて言葉に飛びつく君なら、彼を救うのは簡単だよ。
観測によって、2つの結果が同時に判明したとして。
それが原因と結果だと思うしかないあなたであれば、きっとどちらかの結果を殺してしまうのでしょうね。
ホログラフィック宇宙論というのを知っているかい?ブラックホールが吸いこんだ物質の三次元情報が、事象の地平面に二次元情報として保存されているという事さ。
三次元の情報が二次元として記録される。どこかで聞いた話じゃないか?
そして例えばだよ? 新世界が四次元情報だったとして、それを三次元情報に記録していたとしよう。大丈夫。宇宙が11次元なのであれば、その投影元である君の頭も11次元を限界としている筈だ。
だから想像は無限。四次元がどんなものか考えることくらい訳ないさ。それを三次元に刻み込めれば、きっと他の誰かも四次元として取り出せる。
スマホ画面を二次元情報として受け取るか、三次元に存在する文字列として認識するかは君の勝手だ。
それは頭の中にしか再現できないだろうけど、全員の頭の中で再現で来たら……それはもう、ねぇ?
やあ、浮かない顔だね。人生に疲れ切ってるって感じだ。
しってるかい? 原子って99.9%はスカスカなのさ。理科の教科書で見たことがあるでしょ?
で、君も原子で出来ている。つまり君も99.9%はすっかすかなんだよ。
やあ、浮かない顔だね。疲れ切ってるって感じだ。
関係ない話が長かったかい? ごめんね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます