パジャン島 五

目が覚める…どうやら思った以上に寝れた…それは良かったのだが…少し首が痛い


体を反対に動かす「…」…近けぇ…あれ?いつの間に着替えたんだ?錦戸が恐らくだが宿に置いてある服を着ていたすぅすぅと寝息が聞こえる



随分開けてはだいる特に胸の辺りが…見えそう自然と視線が向かうのは男としての本能のせいだろう「……あっおはようございます仲月さん」



「おはよう…これ外してくれないか?」「…あーそれもそうですね」拘束が解かれる「解放されるっていい気分だ」「そうですかそれより何かズレてるんですが…何かしました?」



何故かジトっとした目で見られる「何もしてねぇよ拘束されてるんだし」「でも仲月さんなら何かそのくらいだったらどうにか出来そうなので…」…このくらいだったら出来なくは無いが



「出来ても何もしねぇよ多分隣にいるそいつのせいだろ?」「…凄い寝相ですね」「そうだな多分服でも引っ張られたんだろうな」「そう言う事にしときます」



数十分後に綾瀬が目覚め自分の格好を見て再び同じ事を言われた「それで?今日は何処か行くの?」「ちょっと鍛冶屋に行こうと思ってる」「そう…でも、その前に何か食べない?お腹空いちゃってて」



「それもそうだな」「そう言えば仲月さんは着ないんですか?」「その前にちょっと店主に聞きたいことがあったから聞いて来る」「分かりました」部屋を出て受付に向かう



「すみませーん」「はーい、どうかしました?」恐らく同い年くらいの子が出て来た「ここら辺に洗濯してくれる場所って何処かありませんか?」「ありますが…でしたら料金は掛かりますがこちらでやりましょうか?」



「良いんですか?じゃあお願いします」「分かりました」「それとこちらの着替えで外出ってしても大丈夫ですか?」「はい、構いませんよ正し破損した場合は弁償と言う形になりますが」



「分かりましたじゃあこれから出る所なので服も持って来ますね」「はーい」店主の娘さんかなのかバイトなのか分からないが…明るい子だったな



部屋に戻り支度を整える「何を聞いて来たの?」「洗濯出来る所があるか聞いて来たあとこの服のまま外に外出して良いかもな」「言われてみれば余り気にしてませんでした」



「それで?あったの?」「ここで出来るって言われたから出るついでに持っていくつもりだだから準備しといてくれ」「りょうかーい」



部屋を出て洗濯物を持って行く前…錦戸は気にしないと思うが…綾瀬が何か言って来そうだな「これとこれ分けて洗濯をお願いしたいんですが」「はい、それはよろしいのですが…そうしますと」



別料金が掛かるんだろうな「一緒で良いですよ」「は?」「えっ?」そう言いだしたのは綾瀬だった「気を遣って別々にして貰おうと思ってたのにあなたがそれ言っちゃいますか?」



「一緒の洗濯を断るのは思春期の時に終わった」まあ綾瀬なりの基準があるんだろうそう言う事なら「じゃあ一緒で」「…嫌です」「えっ?」「は?」今度は錦戸が割って入って来た



まさか予想と逆だったとは…「理由を…聞いても?」「何て言うか…ちょっと…恥ずかしいから…です」だんだん小さくなる声でそう言った「…すみませんやっぱり分けて貰っても良いですか?」



「あっ…はい分かりました……」何か言いたそうな目をしていた「何ですか?」「いえ…その…何か良い事ありますよ」「…」黙って外に出て俺達は泰樹の元に向かった…

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