第4部 新しいテナントと後悔
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ショッピングセンターの中に入った僕は、まずはいつも通り胡椒と貴族向けの塩、一般市民向けの塩を今までと同じ量を購入する。
胡椒はどうやら嗜好品の扱いのようだが、塩は必需品として見られているようだ。
ならば塩の納品数を増やすことを考えたが、ギルド側も買い取り金の用意などがあるだろう。
何も告知せずに納品数を増やしても困られるだけだ。
次回納品時に納品量を増やすかどうかを打診してみよう。
次に僕が向かったのは薬屋だ。
薬屋と言っても単純に薬を売っているだけではない。
所謂薬剤全般や衛生用品を売っているようだ。
僕が薬屋で買ったのは洗濯洗剤とシャンプー、ボディソープ、そして絆創膏に消毒液、ガーゼとテープ、風邪薬だ。
抗生剤の類も売っているようであったが今のところは必要性を感じていないので買わなかった。
なぜ前の世界では一般的には売られていなかったものが売られているのかという疑問は残るが、それはスキルとしてのご都合主義だろう。
ありがたみを感じながら疑問を棚上げにすることにした。
洗濯洗剤は言うまでもなく洗濯の石鹸に不満を抱いていたからだ。
シャンプーとボディソープは衝動買いだ。
本音を言えば使いたいところだけど、桶とタオルと水だけではうまく使うことはできないだろう。
専門的な技術を持つ人は限られた水だけでも、うまく髪を洗うことができるようだが、そんな技術を僕は持っていない。
とはいえいつどこでシャワーと出くわすかわからない以上、買える物は買うことにした。
幸いにも僕には時間経過があるとはいえアイテムボックスがある。
食品類は購入するタイミングを考える必要があるが、洗剤であればそう簡単に腐るものでもない。
ならば買っておいても損はないだろう。
消毒液と絆創膏と風邪薬は言うまでもなく怪我対策と風邪対策だ。
この世界は前の世界の日本よりも物騒な世界だ。
当然怪我をするリスクは高い。
人には白血球というウィルスや細菌を攻撃するものがあるらしいが、対処能力にも限界がある。
限界を超えてしまえば傷が化膿したりして、最悪の場合は死に至る場合もあるようだ。
となればしっかりと消毒し処置を行えるようにしておく必要がある。
最初は絆創膏だけを購入しようかと思ったが、それ以上の傷を負ってしまったときに保護できないのは困る。
そのため絆創膏に比べれば購入枚数は少ないがガーゼと固定用にテープを購入した。
最後に風邪薬に関しては言うまでもないだろう。
この世界に来てからというもの、疲れることはあったが風邪をひくことはなかった。
しかし風邪にしても拗らせれば重大な病気を引き起こす可能性のあるものだ。
ひき初めにしっかりと対処すれば症状が重くなることは避けられるだろうし、対処しておくに越したことはないはずだ。
そうして僕は薬局を後にした。
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