恋
今の恋人と付き合い始めてから、十ヶ月が経過したらしい。早いねぇ。三百日も同じ人のことを考えながら寝て起きてを繰り返すなんて、尊いなんて領域はとっくに超えてもはや気持ち悪いとさえ思う。昔は事ある毎にドキドキして、縄文土器があったら入りたいぐらいだったのに、今はどちらかと言うと、大きく手を広げて包み込んであげたいような気持ちになることの方が増えてきた。大人たちにそんな話をすると、「まだ早い」と言われる。そういうものなのか。まあ、周りの意見はそれとして、今日も今日とてそれなりに、幸せに暮らしているから、私の土器の中の不安な気持ちには蓋をして、煮詰めて食べてしまおう。それで何とかなるはず。まだ若いから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます