302_瞞着

歓楽街の中心で握りしめた千円札

本当の自分はきっとここにある

そうだ僕はまだ十九歳です

叫んだ声が端っこまで届く


一気飲みしたビール

揚げモノ粉モノたくさん

次の店は予約済み


吐いて吐いて倒れた先は

ゴミ袋ふかふかのベッド

意外と悪い気はしない


まだふらつくけどまだ瞼をこするよ

朝が来たから早く起きなきゃ

まだ寝てていたいよって

言ってもいいかな




すみません

どうにかなるさ


すみませんでした

どうにかなる


もうしわけありません

どうにか


まことにもうしわけございません




歓楽街の端っこ握りしめた千円札

本当の自分に戻ってしまった

そうだ僕はまだ十九才です

そうだ僕はまだ十九才です


一気飲みしたビール

胃薬と抗不安薬

もうどれも効いてこない


吐いて吐いて倒れた先は

モルタルと吐瀉まみれの服

もう慣れた自分が怖い


もうふらつかないもう眠たくはない

夜が来たから早く起きなきゃ

まだ寝てていたいよって

誰かに言いたい

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