未定

町は霧に包まれていて、いくつもの橋の先のほうへとぼんやり霞みながら広がっている。

続いて、完全な野原が一本調子で高くなってゆき、はるか彼方で光の淡い空のはっきりしない裾にまで達している。そうやって高みから見渡すと、眺めはどこもじっと動かないように見え、まるで一枚の絵で、錨を下ろした船は川の隅にかたまり、川は緑の丘を蛇行し、細長い形をした川のなかの島は、捕らえられた大きな黒い魚が水に浮かんでいるみたいに見える。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る