朝靄の凪に流離うおちょろ舟

もやの凪に流離さすらうおちょろ舟


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「おちょろ船」とは、沖合いに停泊している船の船員を相手にする、遊女が乗った小舟。

言わば、海上遊郭です。


遊女の境遇といえば、言わずもがな。

中には色恋沙汰に発展し、心中を選ぶ男女もいた事でしょう。


朝靄の中、凪いだ海面にぽかりと漂う、誰もいないおちょろ船。

果たせぬ夢の結末は、海だけが知っています。

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