第173話

【魔石発電所・職員視点】


 東京の発電所は魔石の登場により再開発が行われた。

 現在都内数カ所の発電所に再編されている。


「東京第四発電所、計器類はすべて異常無しっと」


 ピー!ピー!ピー!ピー!ピー!ピー!


「ええ! 安定の魔石発電所で警報!!」

「計器の故障か?」


 3人の男性職員が驚く。


「お、おい、見、見て見ろ! 魔石発電機に!」


 監視モニターを見た職員の顔が引きつった。


「あ、あああああああ!い、イナゴだ!」

「まずいまずいまずい! すぐに上に連絡を!」

「モンスター省にも連絡だ!」


 魔石発電機にイナゴが集まりケーブル類がずたずたに引き裂かれ複数ある発電機が止まっていく。

 イナゴが中にある魔石を食べていく、そして、イナゴの体が光った。


 イナゴの頭から人型の上半身が生えた。

 その上半身は外骨格で覆われ、なまじ人に近い分恐怖を感じる。


「ば、化け物おおおおおおお!」

「避難警報を出せ!」

「い、イナゴが現れた!、みんな! 逃げろおおおおお!」



 この日、東京にあるすべての魔石発電所がイナゴの襲撃を受け、イナゴが第二形態に進化した。


 イナゴが集まり、外に出る。


「「ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ!!」」


 イナゴの不気味な鳴き声と共に、日本各地にある大都市にイナゴが現れて大停電を引き起こし、日本各地から東京にイナゴの群れが襲来した。




【レイカ視点】


 東京に中級以上の冒険者が集結した。

 配信用のドローンを複数起動させた。

 私は前に立ち状況を説明する。


「東京にイナゴが集まっています! 改めてイナゴの強さについて説明します。

 イナゴの攻撃力は亜人種の中級モンスターと同程度、防御力は下級モンスターと同じ程度です。

 中級冒険者の方であれば問題無く倒す事が出来ます。

 しかし、イナゴは群れで襲い掛かってきます!

 決して孤立せずに戦いましょう!

 質問があれば受け付けます!」


「魔法銃の弾がほとんどない。補給は出来るか?」

「十分な補給は期待できません!」


「イナゴの数は?」

「今調査中です!」


「イナゴが第二形態になったと聞いた。強さはどの程度だ?」

「その質問についてはシンさん、お願いします」

「僕が戦った所、亜人種換算で攻撃力は上級モンスター、防御は中級モンスターと同じ! 中級冒険者は戦わず逃げるべきだ!」


「……質問が無い様なので斥候が終わるまでここで待機をお願いします!」


 斥候の女性が帰って来た。


「お疲れ様です。どうでした?」


「それが、スマホで撮った動画を見てください」


 第一形態のイナゴが共食いをしている。

 そして、イナゴが進化して第二形態に変わっていった。


「これは! イナゴの魔石を、共食いで吸収している!」


 イナゴの第二形態が増えていく。


 まずい、中級じゃ、第二形態に対処できない!


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