第10話
俺は急いで家に帰った。
家でマイルームを使って中を確認すると魔石はちゃんとあった。
ほっとする。
魔石を飲み込むと閃いた。
スキルを強化出来る、しかも選べるぞ。
・シャドーランサー強化
・アロー取得
・アイテムボックス取得
……この中から1つ選べるのか。
ユイが余裕でベビーガーゴイルを倒していた事を思い出す。
アローの能力は取ってみないと分からないけど、ベビーガーゴイルに効く気がする。
でも、アイテムボックスが欲しい。
学校で使いたい。
学校でカッコよく使ってちやほやされたい。
マイルームにも物を置いておけるからアイテムボックスの代わりにはなるけど、置いておくと凍った物は溶けるし食べ物はだんだん腐っていくデメリットがある。
お菓子を大人買いした時に悔いが残っている。
アイスやケーキは賞味期限や冷凍が必要で保存がしにくい為たくさん買えなかった。
アイテムボックスにもし、保存機能があれば人生が良くなる。
アローは後回しだ。
アイテムボックスを取得!
「アイテムボックス!」
目の前に黒い円状の入り口が現れた。
俺はアイテムボックスを消して下に降りた。
魔力消費は感じない、消費はあったとしても少しか。
もっとスキルの効果を調べる!。
カップラーメンにお湯を入れ、冷凍ピザを電子レンジで温めた。
その後アイテムボックスを使ってアイスクリームも一緒にアイテムボックスに入れた。
「頼む!時を止めてくれ!本当に頼む!」
俺は夕食を食べてお風呂に入り、夜食を食べてベッドに入った。
アイテムボックスが気になる。
明日の朝までアイスは冷たいまま、ピザとカップラーメンは出来た手のままでいてくれ!
そして目を閉じた。
眠れねえ!
アイスとピザ、カップラーメンは無事なのか?
もし時間が止まっていなければ食べ物を無駄にしてしまう。
ベッドから起き上がった。
明日まで我慢できずにアイテムボックスからアイスを取り出した。
「おお!溶けてない!」
俺はアイスクリームを完食した。
更にカップラーメンを取り出す。
「熱いままだ!」
カップラーメンを完食してピザを取り出した。
「これもうまい!保存機能がある!さてっと、寝よ」
俺はその日、熟睡した。
【次の日】
学校でビュッフェを堪能しつつユイやレンと話をする。
「魔石はあった?」
「あった。魔石を食べたらアイテムボックスを覚えた」
「そっか。残念だね」
「ん?」
「ごめん、いい事だよ。でも、もしマイルームの防衛力を強化するスキルを覚えていたらもっと良かったと思ってね」
「そ、そうだな。確かに残念だ」
い、言えねええええええええ!
アローを覚えなかったとか言えねえええええ!
スキルを選択できることは黙っていよう。
「レンとユイにどんどん離されそうだな。2人は順調か?」
「僕は、魔石を10個以上食べるまで魔石を換金しない方針だよ。モンスターを倒す力を手に入れて将来たくさん魔石を手に入れたいんだ」
めっちゃ未来に投資してるやん!
俺と真逆じゃないか!
俺も最初から魔石を食べてればここまで差をつけられる事はなかったかもしれない。
「俺も、10個までは魔石を食べよう。2人を見習って頑張るか」
「その事なんだけど、学校の基本訓練が終わったら朝練もしようよ」
「そうだね!いいと思うよ!」
レンが嬉しそうに言った。
早く母さんを助けたいんだろうな。
「あ、朝かー。うん、考えておこう」
朝練はやめておこう。
ただでさえ運動量が増えている。
体を壊してはいけない、デブは膝を痛めるのだ。
でも、入学してから一カ月の基本訓練が終わるまで、午後のハザマダイエットは毎日やろう。
俺はアマミヤ先生に付き添ってもらい毎日ハザマに通った。
コツコツ続けて更に2つの魔石を食べたがスキル強化が出来ない。
今日もゴブリンを狩った。
「うわ!ベビーガーゴイルだ!走って逃げます!」
ベビーガーゴイルが目に入った瞬間に即逃げた。
「まだだ!まだシャドーランサーはやられていない!違うハザマで再戦する!」
俺は何度もハザマに入ってゴブリンとだけ戦った。
シャドーランサーがゴブリンを倒すと、また魔石が出た。
俺はすぐに魔石を食べた。
「おおお!スキルを覚えた!」
「オオタ、おめでとう!」
アマミヤ先生が喜んでくれる。
頑張れば褒めてくれるからやる気が出る。
俺はハザマのモンスター狩りに楽しさを感じていた。
「スキルのチェックをするか?」
「い、いえ、今日は、も、もう、はあ、はあ、帰ります。何度も走って逃げて、疲れました」
「そうか、焦る必要はない。気を付けてゆっくり帰ってくれ」
「はい、今日もありがとうございました」
俺はゆっくりと家に帰った。
能力値が上がっても、痩せないと駄目だな。
体の重さが邪魔に感じる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。