親ガチャ チー牛(32)SSRを引いて青春を攻略する。
だびで
第1話 親ガチャSSR
人間はだれしも生まれる前に親ガチャを引かされる。
いつの時代どこの国どんな環境、容姿。
それは親ガチャで決められる。
親ガチャの中にはSSRから N SSHが用意されている。SSH(スペシャルスーパーハードの略だ)俺が前の人生で引いた親ガチャはSHスーパーバッドだった。
貧困家庭で容姿は不細工、運動神経、勉強共に苦手。こんな俺でも自分なりに努力した。だがどんなに努力しても限界がある。親は貧困毒親家庭。学校でもいじめられ高校中退と同時にフリーターになってしまった。
35歳 彼女いない暦=年齢。童貞。チー牛。
「人生つんだな」
アルバイトを辞めて無職になった俺は、ウサギ小屋のようなアパートの天井を眺めながら呟いた。
もう死んでしまってもいい。この先の人生なんてたかが知れている。
「……恋がしてみたかった。」
自分でも驚いた。言葉は何の気なしに口から零れ落ちていた。
思い返せば学生生活、特に高校は酷かった。クラスの陰キャグループでもいじられていてクラスのカースト最下層だった。
もしクラスの一軍に属していたらどんな人生になったんだろう。
そして眠りについた。
「気づきましたか?」
俺の目の前には金髪で天使のような恰好をした。天使のような女性がいた。
あれ?おれは寝てたはずなんだが?ここはどこだ。雲の上の様なんだが。
「あんたは誰だ?」
「失礼ね私は天使。神の使いです。」
「天使って本当にいたんだ」
「俺はどうしてここにいるんだ。」
さっきまで眠たくなっていたことは覚えてるんだが。
「ああそれはですね。あなたは心不全で亡くなりました。」
「そんな??」
あまりにもあっさりとした死の宣告に俺は動揺を隠せない。
「それはそれとして、あなたには救済措置が実施されます。」
「救済措置?」
「あなたの親ガチャはとても過酷でした。それを考慮し次の人生はR(レア)以上の人生を送れるガチャを用意しました。レア限定親ガチャです」
「どういうこと?」
俺は何を言っているのか解らずにいた。
「人は生まれるとき、この親ガチャを引かされます。これです。」
そういうと天使はガシャポンを持ってきた。写真を飾る部分には「R(レア)以上限定ガチャ」と書かれている。
これが親ガチャです。さあ引いてみてください。
「ちょっと聞きたいんだが?」
「なんでしょうか。応えられる範囲で応えましょう」
「親ガチャを引いたら今の記憶はどうなる?」
「本来は忘れてもらうんですが、あなたの場合は特別に残しておいてあげます。」
「わかった。」
「それじゃあサクッと引いちゃってください。」
俺は半信半疑ながらレバーに手をかける。このガシャポンで俺の人生も決まる。
そう考えると手に汗がにじむ。
「このガチャに人生かかってますから覚悟して引いてくださいね。」
「わかってる」
俺は運命のレバーをガチャを回した。
ガシャポンを回すと中から一つのカプセルが出てきた。レア以上が確定しているとはいえ、少しでもいいガチャを引きたい。
「それじゃあカプセルを拝見します」
俺はドキドキしていた。そして、脇にはじわっと汗をかいている。こんなの大学の合格発表以来だ。
「すごいっ⁉SSRですよ。」
「SSR⁉」
「やりましたね。これで人生勝ち組確定です。」
「よっしゃあああああ」
俺は人生で最大級のテンションでガッツポーズをした。それでどんなスペックなんだ。
「ステータスをお読みしますね。」
「実業家の父とモデルの母に生まれた長男です。ルックスS知能A学力S運動A。これはすごいステータスです。スキルはコミュ力〇モテセンス〇がついてます。スキルもいいですね。」
「これもう勝ち確定やん」
俺は心の中で小躍りしてしまうほど喜び狂った。非モテチー牛人生さようなら。ウェルカム勝ち組陽キャ人生。
「それで田中さんいつからにしますか?赤ちゃんからでもいいですけど中学生くらいからにしておきますか?」
「そうですね中一くらいからでいいですね。」
「わかりました。手配しておきます。それでは良き人生をとことん楽しんでください。」
俺の目の前が真っ白になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます