第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部

海棠 楓

雷に怯える君の肩を抱き止むなと祈る雨宿りかな

下校時ひどい夕立に遭って、通りがかった軒下に避難する二人。

雨脚は強くなる一方で、雷まで鳴り出す始末。

稲光のたびに体をビクリと震わせる『君』、

俺がついてるから安心しろ、という気持ちで肩を抱く俺。


――本当は別の意気持ちもあるけど。


今だけは、君に触れることを許されて、

今だけは、君を独り占めすることが許されて。


あーあ、ずーっと降ってやがれ。

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