第3話 ユウキ
「何を作っているんですか?」
「ん? 防具だよ」
ユウキは顔を上げないまま、すぐ隣から問うてくる声に答えた。
「もしかして、また突っ切るつもりですか、あそこ」
「うん」
「なんで防具1つで耐えられるんですか、あんな灼熱地帯」
「なんでって言われても……」
「普通は無理ですよ、防具あったって」
「いや平気だよ、全然平気」
「……なんとなく、防具だけが理由なわけじゃない気がしてきました」
「ん? どういうこと?」
「……なんでもないです」
防具を作りながら首を傾げたユウキは、ふと顔を上げた。
「作ってやろうか? まだ素材が余っているから」
「いえ、遠慮しておきます」
「遠慮なんていらんって」
「結構です」
はっきりとした断りの言葉が可笑しくなったユウキは、思わず大きな笑い声を上げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます