第20話 京都奈良全力ふたり旅2日目―長谷寺(2)
御朱印をいただいた後、その横の内陣入口で特別拝観料を支払い受付を済ませると、中に入るにあたって注意事項の説明があった。順路や、拝観方法、撮影の禁止、など。
そしてもうひとつ、一人ずつ五色の紐で編まれた腕輪を左手首に装着される。これは観音様との御縁を結ぶ腕輪なのだそうで、お土産として持ち帰ることができる。
説明を一通り聞いて、順路通りに進むと、ちょうど前に入ったグループが観音様の御足から離れるところだった。
一組ずつ丁寧に説明をするのは、一組ずつがゆっくりと観音様に触れられるようにするための配慮でもあるらしい。確かに後ろに行列ができてたら、よっぽどじゃない限りは慌てるもんね。
観音様のお部屋に入って驚愕したのは、とにかく大きいことはもちろん、観音様を囲む四方の壁に四天王の絵図が色彩豊かに残っているところであった。金色に輝く穏やかなお顔の観音様、それを護るように描かれる四天王。
ここだけ世界が違うかのようだった。
あまりにもぼけーっとしていると次のグループを待たせてしまうので、念入りに手を合わせてから正座、そして一際ピカピカの御足に触れる。
ありがたい。ほんとにその一心。年に何回かチャンスがあるようだが、この時に来られて感無量です。
観音様の前を辞して、内陣をぐるっと一周すると、他にも仏像さまが置いてある。これらの仏像も特別拝観がないと観られないと思うとありがたやー。
一通り見終わって外に出て、通常の御朱印をいただくことにした。前に並んでいたおじさんの御朱印帳がめちゃくちゃ分厚い……。八十八ヶ所巡り用とかなのだろうか。
などと考えていたら、自分の番がきて御朱印帳を渡す時、手が滑って
校長先生のなっがい祝辞の書かれたアレをバラバラバラーっと落としてしまったような感じだ。
意外と拾って整えるの大変。御朱印帳集めてる皆さまご注意を。私は係の人にも、後ろの人にも笑ってもらえたので良かったです……恥。雨じゃなくて良かった。
さて気を取り直して、境内の中を下りながら観ていく。中腹辺りに赤い五重塔があったり、その近くでお土産を買ったり。入口の山門へはいくつかルートがあるようで、うまい具合にまた回廊の階段に出たので、そこから帰ることにした。
このぼんぼりが灯ればまた、違った風情を感じられるのだろう。
長谷寺を出て、草餅を並んで買う。おばちゃんが「熱いのと、それほど熱くないのどっちがいい?」と聞いてきたので熱いのを選んだが、めちゃくちゃ熱かった。ハフハフうまい!
草餅食べたらお腹が空いた。電車の時間まで少し余裕があったため、この参道でお昼を食べることにする。
一番最後のお店に入り、私はハンバーグ定食、連れはそうめんと俵おむすびの定食を頼んだ。
ご主人が一人で作っているらしく、先客が何組か待っていたため少し時間がかかったが、ハンバーグめちゃくちゃ美味しかった! そして連れの俵おむすびもでっかい!
電車の時間を逆算して店を出たが、お腹パンパンで上り坂&階段。観音様への道のりは険しいのだ。
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