『噛めんサイダー』 中の4

 水筒が揺れたら、噛めんサイダーが現れる。


 これが、道理である。


 『噛めんサイダー1号登場!』


 さっそく、現れたのである。


 しかし、まだ、激しい地震が収まらない。


 噛めんサイダーは、幸いにして、無視された。


 地震を気にしない噛めんサイダーは、右往左往している人達を尻目に、さっさと、あのタンク室に飛んだのである。


 天井から何かが落ち、家具や実験装置がひっくり返った。


 ちゃんと、地震防止を、していなかったのである。


 摩耶真も、ふらふらながら、後を追った。


 さらに、荒川放水氏と、長女も、必死に追ったが、噛めんサイダーは、早い!


 ダメ・ダヨーは、バランスを崩して動けないときた。


 噛めんサイダーは、まったくの、躊躇なく、タンクに飛び込んだのである。


 すると、噛めんサイダー自身が、予想していなかった反応が起こったのである。


 やっと追い付いた、荒川親子は、呆然としたのであった。

 

 『なんだ。なにが、起こってるんだ?』


 『これは、爆発するかもしれません。この国は、吹き飛ぶかも。』


 『喜ぶ人達もあるのかもしれないが、わたしの本意ではない。』


 『逃げましょう。まずは、命が助かる行動を。』


 『おまえ、ロケット丸で逃げろ。わたしは、ここに残る。さいごまで、見届けるのが、発明者の務めだ。』


 『なら、わたしも、そうです。』


 ダメ・ダヨーが、やっと、たどり着いた。


 『これは、ダメ・ダヨー。異常反応してます。地下のシェルターに、早く。部長は、パス。』


 ダメ・ダヨーは、摩耶真を突き飛ばし、地下の扉を開けて、ふたりを先に落とし、自分も飛び込んだのである。


  次回、最終回❗



        🕳️ 


 


 

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