『噛めんサイダー』

やましん(テンパー)

『噛めんサイダー』 上

 『これは、フィクションであり、ジョークである。』



 噛めんサイダーは、アンドロイドである。


 ただし、人型ではなくて、炭酸水型のアンドロイドである。


 従って、形はない。


 また、自らは形を作れない。


 というか、変幻自在ではあるが、炭酸水なので、振ると泡を出すという特長がある。


 人間に飲まれると、ただの炭酸水であり、害はないが、大して役にも立たない。


 しかし、ビンずめになどにして、相手に投げつけるとかすると、通常の炭酸水では得られない破壊力を発揮する。と、されている。その理論は、誰にも分からないのだ。


 1トンで、1メガトンの核弾頭に匹敵するとも、言われるが、それは、多分に言いすぎらしい。


 開発したのは、いわゆる、マッドサイエンティストとされる、荒川放水氏である。


 彼の、とある山奥にある地下研究室には、巨大な水槽があり、今のところ、約2トンの『噛めんサイダー』の元が、蓄積されている。


 これに、さらに秘薬を調合すると言う。


 もちろん、ビンに詰めるも、樽に詰めるも、自在である。


 これが、すべて爆発したら、日本はお仕舞いとか。


 しかし、そう簡単には、爆発しないのが、欠点らしい。


 つまり、ほんとのところは、投げつけたくらいでは、まだ、爆発しないらしいのだ。


 しゃわ〰️〰️😢と、言うくらいとか。


 博士は、そこんとこを、さらに、改良しようとしていたのである。


 だから、小さな水槽で、実験を重ねていて、完成まで、あと一歩というとこまで、来ていたのである。


 博士の目的は、金儲けであった。


 だから、人類征服なんてちゃちなことは、考えてはいないのだ。



        🥇



 で、こういう方には、愚かな弟子がいるものである。


 助手は3人いたが、ひとりは、娘さんで、これが一番優秀である。


 2人目が、ドクトル・ファウスタス、という、極めて優秀だが、密かに単独で、人類の征服を企む悪人である。


 3人目が、マーヤ・シーンという名前の人だが、実は日本人であるらしい。かなり、気が抜けているのが、長所らしい。漢字にすると、摩耶真である。


 摩耶真は、お給料が少なく、貧窮ぎみであった。


 だから、『噛めんサイダー』を、盗もうとした。


 飲料水用に 持ち込んだ水筒に、一応、完成済みの『噛めんサイダー』、を、1リットル詰めたのである。


 これが、『噛めんサイダー1号』となったのだ。


 つまり、こうである。


 普通なら、静かに詰まっているだけなはずだが、なぜか、意識と知性を持ったのだ。


 水筒に何らかの原因があったらしいが、詳細はわからない。


 噛めんサイダーは、こう、言ったのである。


 『あの、荒川放水氏は、人類の敵であるから、成敗すべきです。あなたが、わたしを、あの研究所に返して、タンクに入れなさい。さすれば、すべてが水の泡となるのです。そうしないと、間も無くあれは完成し、人類は危機に陥りましょう。』


 マーヤ・シーンは、どっちでも良かったのである。


 しかし、帰るのは危険すぎであった。


 もはや、泥棒は知られているだろうし、このアパートからも、いま直ぐに出るつもりでいたから。


 しかし、とき、既に遅し。


 荒川放水氏は、すでに、怪人『どぶね・ズーミ』を派遣していたのである。



        🐭


 作者は、寝られなかったのと、間もなくの恐るべし検査入院のストレスから書き始めたが、続くかどうかは、まだ謎である。


 

 


 

 


 


 


 


 


 


 


 


 


 





 


 

 


 

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