妖精
うちは妖精イセッチだよ。
みんなには見えてない。
って思ってたら、文菜ちゃんは、どうもうちのこと、なんとなく見えているみたい。
文菜ちゃんに
「こんにちは~」
って言ったら、ふつうに
「こんにちは~」
って返ってきた。
「うわっ、見えてるやんっ!この子、うちのこと、ふつうに見えてるんかいなっ?」
って思った。
「しかも、声もちゃんと聞こえてるやんっ」
文菜ちゃんに手をふってみた。
文菜ちゃんも、うちにむかって手をふっている。
☆☆☆☆☆
文菜っちの部屋に妖精いる。
いつも文菜っちのことを優しく見つめている。
文菜っちも、そんな妖精さんのいるのをなんとなく感じている。
また部屋に、みほりんとゆーにゃん遊びに来てくれた。
ふたりは
「こんにちはー!」
って言って、文菜っちの部屋に入って来た。
「学校の友達なん?」
なんとなく妖精さんに聞かれたみたいに感じた文菜っちは
「そやで!」
って答えた。
「ん?なに?」
「どしたん?」
って、みほりん、ゆーにゃんに聞かれた。
「えっ?...今、ふたり、部屋に入って来た時にな...」
「うんっ?」
「どしたん?」
「部屋におる妖精さんにな...」
「えーっ!妖精さんなん?」
「霊でなく妖精さんなん?」
「うんっ!その妖精さんに『学校の友達なん?』って聞かれたみたいやったから...」
「えーっ!妖精さんに聞かれたん?」
「妖精さんの声、聞こえるん?」
「うんっ!なんとなく、そう言われた感じやったから...」
「へぇー、そうなんやー」
「妖精さんなんやー?どんな子なんやろなー?」
「どやろなー!なんとなく、妖精さんのいるのを感じる...」
それから近くの公園に行って、ブレーキングダンスの練習をした。
みほりん、ゆーにゃんも見ててくれてる。
ふたりは、それぞれの家に帰った。
文菜っちも部屋に帰ったら
「じぶんブレイクダンスめっちゃうまいやんっ」
って言ってる声、聞こえてきた...ような気した。
「まだまだやでー!みんなもっとうまいからな」
って答えてみた。
「あ、そうなんやー」
「フランスにいた頃かて、みんなうまいんやからー」
「へぇー、そっか」
「でもフランスのパリとかにも日本人の子おってな、めっちゃうまかったりしてるでー」
なんか、妖精さんと文菜っちとで会話をしているみたい。
☆☆☆☆☆
小学校のみんなと社会科の見学で民族学博物館に行った。
万博記念公園駅までモノレールに乗った。
駅に着いて、ちょっと歩いたら、太陽の塔、バーンッと真正面に見えてきた。
めっちゃカッコ良き。
めっちゃ存在感ある!
太陽の塔のそばを歩いて行って、民族学博物館に入った。
めっちゃ面白い。
世界中の色々な国の民族の、色んな展示物いっぱい。
みほりん、ゆーにゃん、文菜っちは、仲良くいっしょに観てまわった。
民俗楽器のコーナーでは、3人で楽器を鳴らした。
仮面やら民俗衣装やら、色んなものあって、めっちゃ面白い。
おみやげコーナーでは、インド象の可愛いちっちゃな置物を買った。
家に帰って、ママに見せたら
「それ馬なん?」
って聞かれて
「象さんやでー!インドに象さんおるやんかーっ...知らんけど」
って言ってもた。
部屋のタンスの上に、象さんの置物を置いといた。
「あっ?インドの象さん?」
って声してきた...ような気した。
「うんっ!そやでー」
って答えた。
「ちっちゃくて可愛いな!」
「そやろー」
「御守りかなんかなん?」
「たぶん、そうなんやろなー」
部屋で、妖精さんと文菜っちとで会話しているみたい。
「妖精さん、お名前は?」
文菜っちは聞いてみた。
「イセッチ」
「えっ?イセッチさん?」
「うんっ!そうやで」
「イセッチさんか!そっか...よろしくね」
「よろしくね~!文菜っちは、うちのこと見えてるん?」
「えっ?...なんとなく...見えてるような気する...着物姿みたいな...」
「あっ、そうなんや」
「当たってる?」
「そやな~、そんな感じやな~」
「うわっ!ほんまかー!」
「ほんまやー!うふふ...」
「あ、そうや!」
「なに?」
「イセッチちゃん、お人形さん好きなん?」
「えっ?お人形さん?」
「うんっ!」
「好きやけど...なんで?」
「いや、この部屋に来た時に、なんとなく、可愛いお人形さんの存在を感じたから...」
「へぇー、そうなんや!」
「イセッチちゃんのお人形さんなんかな?」
「そうやろなー!うちの好きなお人形さんのいるのを感じたんやろなー」
「へぇー、そっかー」
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