第2話紹介してもらう

 職場の人から知っている男性を紹介してもらう。

 チェーン店のカフェで、19:00に集まることになった。

「なぜこの年まで独身なんですか?」

 価値観は合うだろうか?口に出すまでもなく、不安は募る。

「そうですね。自由が良かったからと。僕神経質なんですよね」

「潔癖症とか?」


「そこまでではないんですけど、やっぱりきれい好きだから。女性ってきれいにするべき場所って多いでしょ?」

「まぁ」

「つい指摘してしまって」

「私にできるかしら」

「おきれいですし、おれ、頑張れると思いますよ」


 綺麗系女子イコールきれい好きでもないのだが。確かに女子はちゃんとしているととかしっかりしているとかいうイメージが先行しがちだ。


「私結構きたなくしがちですよ。会社では頑張るんですけど」

「家事の時間取れなくなってきたら、パートになればいいじゃないですか」

「そうですね」

 この男は競争社会をなめている。

 一度降りたら、復帰なんてなかなかできるものではない。

 福祉職としてならばできるだろうが、がくんと年収は下がってしまう。そして私には福祉職に就く適性はない。親身に優しく世話するのは苦手だ。

「そうですね」

(いい男って、いないな)

 笑顔の奥でジャッジしている自分がいる。

 そんなに自分自身が誇れるいい女ってわけでもないのに。

 そんなこんなでおごってもらって別れた。

 

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