第1515話 〈閑話〉 八代沿岸にて

「……っと。やっと着いたか。全く、スマホが鳴り止まんと思っておったら……まさかもうここに辿り着くとは……」


フッ……


「葛葉様」

「む、お主は……鎌鼬の。沼津の部下であったな。どうした?確か沼津と一緒に宝玉を入手するために動いていたであろう」

「妙見宮ダンジョンにて、魔力の暴発が。最下層にて巨大モンスターが。沼津様、円様、シャオ様が抑えていますが……もうすぐ地上に出てきます」

「な?!それは誠か!?……ただでさえアレが不味いというのに……」

「アレ……な!あ、あれは何ですか?!巨大な人?それも……二人!?」

「……片方は中国に現れたフラクシアのゴーレム。名称は『天神』と名付けられたものよ。そして、もう一体、3000メートルをゆうに超える巨体の天神を倍以上上回る巨体……日本に眠る巨神、ダイダラボッチ。彼奴が目覚めるとは……!」

「だ、ダイダラボッチ?!あの富士五湖を作ったとされる伝説の?あれは伝承だと聞いておりましたが……」

「……日本神話の神々とは別の神じゃ。一説には神々の祖、伊邪那岐神がこの台地を作り出した際、気付かぬうちに造られていた者とも言われておる。須佐之男命様と三日三晩喧嘩したとも、大国主神と飲み友だったとも言われる謎多き神よ」

「そんな神が、何故この地に……!」

「分からん、じゃが眠っていた奥羽山脈を背中にのせ、本州を三段跳びのようにジャンプしながら走ってきたようじゃ……先程からスマホが鳴り止まんぞい……はぁ、見るのも億劫になるのう……」

「さ、三段跳び?!あの巨体でですか?!」

「以前奥羽山脈で観測された時は推定8000メートル……今見てる限りではさらに巨体ではないか?ふむふむ……足を置いた場所は全て震度5強を計測した、と。あの巨体がスキップしただけで大災害じゃ。歩くだけで震災を起こすとは……神でなければ討伐対象ぞ」

「……い、如何します?」

「如何するもなにも、ワシらにどうせいと?田島氏には連絡しようにも先程から念話が届かん。恐らくフラクシアの妨害じゃろう……信じるしかあるまい。田島氏の力とダイダラボッチがワシらの味方となってくれることを……あと出来ることといえば、妙見宮ダンジョンから出てくるモンスターを止めることじゃ。お主、案内をよろしく頼むぞ」

「……御意。こちらです」




「……田島氏、生きて帰ってくるのじゃぞ」

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