第1104話 〈閑話〉ある場所にて
「はい、そのようで……以前ヌシが言っていたあの男に似ているかと……ほう、そのような事が……なるほどなるほど」
「……あのジジイ。壁に向かって何話してるの?」
「念話、とは違う」
「あぁ、あれ?念話に近いけど次元を横断して飛ばしてくるやつだよ。確か師匠は『神託』と言ってたね。神信仰してないくせに」
「しんたくー?」
「信じ難い」
「そもそもボクも関わりたくない相手だからね、アレ。師匠の身体見ただろ?あんな永遠の命と引替えにガチガチの機械にはなりたくないよ」
「……それはそうね。永遠の命には引かれるけど」
「油差すの面倒くさそう」
「それもそうだねー。あれ?ラクド君は?もういないの?」
「昨日ピザ置いた時に言ってたじゃない。1週間居なくなるって」
「ピザ美味しい。ソース無しでいい」
「ラクド君が居なくなるって珍しいよねー。あ、そうでもないな。珍しい調味料とか食材の情報を手に入れたら飛んで行ってたわ」
「……あれは珍しいってもんじゃないでしょ」
「痛覚が麻痺する辛さ」
「えー、そうかなー?美味しいよ?一瞬記憶なくなるけどさ」
「「…………」」
「無言やめてね?さてさて、ラクド君はどこに行ったのかなー……っと、みっけ。わぉ!今は東京か!ここはどこだったかなー……」
「……アンタまた覗き見してるの?ジジイのこと言えなくない?」
「使い魔、付けるのはマナー違反」
「……うるさい。師匠とは違うから。あれは通信機も兼ねてるからいいの!さてさて……へぇ、ここは……」
「ギャッギャッギャッ……それは楽しそうですな。では、準備します……おい、弟子!」
「……ボクはランクルです。何ですか師匠……出資者の方と『にこやか』に話されてましたけど」
「ふん、まぁいい実験体が見つかったという事だ。出資者の方もタジマアラタ興味があるとの事だ。今から連れていけ」
「げぇ……まじっすか……」
「うむ、実験は速度が大事。元々連れてきていたもの達から1人極東に送り込む。儂も同行し出資者の目となり観察するとしよう」
「……年明けで良くないです?タジマとはあんまり関わりたくないんですけどねー」
「何を言うか!ほれ、さっさと連れていかんか!」
「セントラルポータルの場所ぐらい覚えてるでしょ?!あれ作ったの師匠ですよね?!大地の魔力点を繋ぐために世界に作ったって!記憶なくしすぎでは?!8MBしかないんですか!?」
「知らん!そもそもこっちに来たのが約100年振りじゃからな!後儂のメモリは500QBのSSDじゃい!」
「ダウト!嘘だ!いーやーだー!ボクは年末は仕事しないー!ネッツフリックスでドラマイッキ見するのー!!!」
「なにを言っとるか!キサマ!それでも錬金術師か!!!」
「知らんがな!今の時代、大鍋なんてミキサーで掻き回すんだ!7徹なんてまだやってる師匠が古い!」
「表出ろ!久しぶりに指導してやるわい!」
「望むところだ耄碌ジジイ!」
「子どもの喧嘩」
「同感だわ……あ、喧嘩するならアジトがバレるから程々にしなさいよ!?」
―――――――――
閲覧ありがとうございます!
Q(クエタ)って単位があることをこれを機に知りました。
メモリってすげー。
星、ハート、コメントよろしくお願いします!
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