第1099話 〈閑話〉国際展示場駅前にて

「……あのバカ、一体何をしてるんだ。キラホープの使用許可の方が体裁楽だろうに……はぁ」

「エクスさん、何か感じたんですか?あとウチの旦那をばかばか言わないでくださいね。一応同級生だとしても!」

「……それはすまな……ん?何であーさんのことだと分かった」

「ノーコメントで」

「……はい」

「うぅ……それにしても冬のコミケの待ちは長いです。駅まで行列出来てるし……早くあかないかなー」

「……カイロあっても厳しい寒さ。中に入れば汗ばむ暑さ。もう少し過ごしやすくなればいいのに」

「今年はコミケ雲出ますかねー」

「……出てもらっても困るがな。あーさんは午後から来るんだっけか?」

「ですです。子ども達と一緒に。一日目は私の趣味ですから。ツリステの物販と小物関係のところに、BLを少々……フフフフフ……」

「……荷物運びさせればいいのに」

「そこはお仕事優先です。お賃金大事」

「……長者番付トップ5位に入っている男の嫁とは思えないセリフだ」

「それを言うならエクスさんってサークル参加ですよね?ここじゃなくて向こうの列じゃないんです?」

「……あっちに本体がいる。俺は分身」

「あ、なるほどー。それなら安心……なのかなー?」

「……気にしたら負けってやつだ。さて、列も動かなそうだし、俺は新戦場に戻る」

「そうだ!私もクランから連絡してたんだった。お肉集め頑張ろーっと」




ガヤガヤガヤ……




「……もし、もし」

「……そこの、お二人」

「……そっちから話しかけられるとはな。ここにいるとは思ってなかったが」

「あれ?エクスさんのご友人?にしては若い!」

「やはり鋼帝様。ご無沙汰しております」

「あなたはゆりさん、ですね。文化祭でお見かけしました」

「……ゆりさん、この二人、崩城の文化祭で歌ってたぞ」

「……?」

「なるほど、印象に薄かったと」

「それはそれで、ショックですが」

「……あーさんに似てきたな、ゆりさん。ほらロッ研の『バラドル』歌ってた」

「あ!あの天使みたいな!フード被ってたから分からなかったよー。あれ?エクスさんと知り合いだったの?」

「……正確にはこの前一緒にいた伯爵の……どういう繋がりだ?」

「表向きは一応、娘です」

「召使ですが、年齢を考慮しています」

「……だそうだ。流石に召使とは言いにくいよな」

「へー!娘さん!なかなかダンディな方だと思ってたけどこんなに大きい娘さんがいたんですね!驚き!」

「……もしや」

「……天然?」

「……つっこんでやるな。一応設定だからな?伯爵についてもさっき話した通り表向きはドイツのセレブってだけで……」

「冗談ですって冗談!分かってますよ!」

「……そういうことにしておこう。で、【天使】のふたりがなんでここに?……まさか?」

「はい、パパに呼ばれて」

「今日は売り子で参加です」

「……そういう事か」

「あぁ!伯爵さんのサークル!そういえば1日目でしたね!既刊本しかないんでしたっけ?コスプレ写真集」

「そう。パパが新刊落としたから」

「写真集、出す予定だったけど印刷所に間に合わなかった」

「あぁー……悲しいヤツー……」

「……どうせ深淵から出てくるのが面倒とか言ってたんだろうな。全く、コスプレ衣装作成の熱意をその他に回せよ」

「それはエクスさんにも言えること」

「伯爵様、いやパパも言い返しますよ?」

「……ノーコメント」






――――――――

閲覧ありがとうございます!


コミケ 最寄り駅で調べて国際展示場駅が出たので書いていますけどゆりかもめの方が近いんですね。


コミケ行ったことないから知らなかった……


待機列が長いから始発組は国際展示場駅から並んでいるということでここはひとつ←


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