第1093話 もうひとつのサプライズ

「……不安しかねぇ……ギルドにどう説明すんだよ……あ、キッチンもそうだけどあっちの件はどうなった?……もしかして、そっちも忘れたとか……」

「ん?あぁ!あっちか。あれはバッチリだぞ。何ならそのせいでキッチンのことを忘れてたまである」

「あっち?」

「ほう?何やら気になる単語だぞ?吾輩達にも教えてくれないか?」


ゴングさんと伯爵が首を傾げる。

あの件、まぁざっくり言うとサプライズです。

ビリとねおばのライブで俺からのサプライズをしよう!ってことでトミーに連絡しておいたのです。


「なーに、ワシの伝手でな?人間の作るものならなんでも集めて飾るセイレーンがおってな?そいつからいろいろ、な」


そう言ってトミーがゴソゴソと壁際においてあった荷物を漁る。

出てきたのは大きめの箱。

トミーが持つと小さく見えるけど縦横1メートルは超えてる。


「ワシも見て見たが中々のものだ。セイレーン曰く、集めたんじゃなくて大航海時代の船を元に自作したんじゃと」

「へー!こりゃすごい!」

「ふむ、ボトルシップと言うやつか?なかなか精巧に出来ておるな!」

「わぁ、帆船ですか?細かい!」


箱の中身はボトルシップ。

ボトルシップは瓶の中で組み立てられた船のこと。

精巧に作られているし、窓際とかに飾ると映えるとして最近人気なんだって。

箱の中には大小様々な船が8隻置いてある。

……帆船だけかと思ったら超弩級戦艦とか前弩級戦艦もあるやん。

……これ、俺も欲しいなー。


「とりあえず1隻だけ、とは言ったがお前の予算を出したら全部出てきた。なんならそのまま持っておくといい、とな」

「へ?マジ?この量を?!レンタルだと思って渡したのに……」

「……あの金額はレンタルの料金じゃないだろ。十分買取できる額じゃぞ?」

「いや、レンタルできる船の相場から1割増にしただけだぞ?」

「……一体いくら出したんですか」


ゴングさんが呆れた声を出す。

いや、ちゃんとネットで調べたんですよ?

『船 レンタル』で出てきたサイトを参考に。

ちょっと昔の船だし、色々コミコミで5隻ぐらい借りたいなーってことで2000万ぐらいで。


「……それ、円ですか?」

「もちろん、円ですね」

「……トミーさん、そのセイレーンさんには?」

「ん?ドルじゃが?そりゃアメリカに住んどるしドルじゃろ」

「それはそうだな。円で買えるのはアジア圏ぐらいだろうな。吾輩もドルかユーロだしな」

「ブッ!!!」


ゲホッゲホッ……お茶が気管に……

ど、ドル?!

えっと、今ドル円相場いくらだったっけ???


「それは聞いてねぇって!俺破産するって!?何考えてるの?!」

「ん?そりゃお前さん稼いでおるじゃろ。そのくらい朝飯前じゃろうて」

「バカ言うな!俺の家買う金より高いじゃねぇか!ウッソだろお前……俺の購入額最高額更新したんやが?」

「……え?あの豪邸、億してないんですか?」


いわく付きだったので……

はぁ、後で通帳記帳しなきゃ……

小切手初めて使ったけど、来月ゴリっと残高減るんやろな……






―――――――――

閲覧ありがとうございます!


書いている時点での円相場は1ドル153円です。


……約3億円?!


船にしては安い?


星、ハート、コメントよろしくお願いします!



追記

30億でした……

流石にどんぶり勘定過ぎたけど大丈夫かなあーさん……

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