第1089話 鍋探し
「……よし、寸胴鍋はこれでいいかなー。雪平鍋も使うかな?」
「鍋はあることに越したことはなかろう。何せ数万人分を作るんだからな!」
「そうですねー。あれ?そういえば今回のキッチン、トミーが用意するとか言ってたけどどこにあるんだろ」
トミーのキッチンから鍋を持ち出しているとふと疑問が出てきました。
今回の炊き出しは年末ということもあって地上でキッチンスタジオとか借りれなかったし、ダンジョンの食材を使うのでダンジョンで作って運搬する形をとる予定。
『キッチンなら用意する』とトミーが言っていたけど……
「このキッチンで作るとかないですよね?流石に巨人用のキッチンだとヘルプを頼んだ人達が使えないですけど……」
「ふむ、確かにな。キミなら人の巨大化とか余裕で出来そうだが?」
「……あれすると解除の時にすげー痛いんですよ。体積増えた分ボキボキ崩れていくので」
「カッカッカッ!経験済みだったか」
大学の頃『ダンジョン目いっぱいデカくなればモンスターの攻撃効かない説』を試そうとしてやりましたねー……
まだ『巨人の拳』をトミーから貰ってなかったから自力で巨大化魔法俺に打って試したんだよねー。
いやー……二度と経験したくないですね。
「とりあえず後で聞いてみますかー。後食材とか準備しないと」
「そういえば、今回だごじる?を作ると言っていたな。だごじるとは何だ?」
「だご汁は熊本の郷土料理ですね。小麦粉とか米粉で団子を作ってちぎって味噌汁にぶち込むだけです。ウチは祖母がよく作ってましたねー。豚汁とかのっぺい汁の残りにだご入れてかさ増ししてました。」
「ほう!みそしるは知っているぞ。浅草街道で朝まで飲んだ時に最後に出されるからな!塩が効いててとても美味だった」
あー、朝の味噌汁って美味しいですよねー。
日本人は無意識に塩分過多になりがちと言われますが、味噌汁と塩おにぎりは最高の組み合わせだと思います。
インスタント味噌汁もいいけど、白味噌とか合わせ味噌を自分で溶かして作るのも良き。
ま、だご汁は家によって作り方が違うのでそこも楽しめると思うよ。
料理に決まった味とかないしね。
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