第955話 グリュンさんも来た

「あ、タジマさーん。この前ぶりでーす。おや?インドの……ご無沙汰してますね!お元気そうでなにより」

「あれ?この声……あ!グリュンさん!」

「うむ!グリュンではないか!何時ぞや『伯爵』の祝賀会以来か?元気そうでなによりだ!」


シヴと話していると後ろから声をかけられた。

振り返ると真っ黒なライダースーツの人が。

ドイツのSSSランク探索者であり、深淵に住むモンスターの使役する戦闘用ゴーレムのグリュンさんだ。

この前デスバレーでは一緒に戦った仲ですね。


「いやはや、デスバレーぶりですねー。元気してましたか?シヴ様もお元気そうで何よりです」

「ですです。しっかり美味しいものを食べてますよ!グリュンさんは何でまた?」

「僕のパトロンが今回のキャッスルクラブに興味を持ってですねー。ドイツも調査用に欲しい、との事でしたのでオークションに参加しようかと」

「なんと!ドイツが参加するのか!国の参加は認められてないが自国のSSSランクの個人参加で支援するとは……うむ、強敵だな!ハッハッハッ!」

「いえいえー、シヴ様。そこは加減してくださいよ?国の支援があるとはいえ予算は決まっているので」

「こちらも会社が倒産するまでは出せないからな!抑えめで頼むぞ、ハッハッハッ!」


……わぁ、バチバチに燃えてるー。

そんなにカニ、欲しいのかねー。

城に住んでみたいとは思うけど、固定資産税はもちろんだけど、エアコン効きにくそうだし電気代すげー額になりそうだから住みにくいと思うんだよねー。


「今日は他にもSSSランクの探索者がチラホラ来るって聞いてますよー。タジマさん、サラッと伝説作りますねー。キャッスルクラブの件といい、デスバレーといい……例の件、色々な亜人から質問が飛んできてますよ。色々ぼかして伝えてますけど」

「例の件?……俺何かやっちゃいました?」

「ハッハッハッ!まるでラノベの主人公のようなセリフだな!オーコの事だろ?エクスから聞いたぞ?あーさんをコピーして殴りあったって。飲んでいたチャイ吹き出してしまったぞ!」

「あーオーコの件ですか……てかもう亜人コミュニティに広まってるんか?早くない?」

「ですですー。そもそもタジマさんは色々な方面で有名ですからねー。タジマさんが2人になった、ってだけで世界の警戒レベルが2段階ぐらい上がりますよ」

「うむ!ただでさえ神レベルで強いあーさんが2人になったら手がつけられないからな!しかも片方はPONしないと来たら俺も参戦せざる負えなかったぞ!ハッハッハッ」


……それ、俺がPONするって言ってる?

……まぁ、否定できねぇですが。

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