第683話 石浜中将との会談 その1


「お、田島氏!おはようさん。昨日はよく眠れた?横のどろーん?も元気に飛んでるな」

「おはようございます。大変良いベットでした。家のベットよりぐっすりでした」

「それはベットを買い換えることを検討するレベルじゃないか?ま、寝れたなら良かったよ」

「……それで、恩返しとは行かないですが石浜中将にご相談があります」

「何真面目な顔をして。異界人の知識を提供してくれるのか?」

「……やよいさんの病気を治せます」


ブッ!


わ!お茶飛んできた!

タオルタオル!

石浜中将、驚きすぎでしょ……

まぁ、不治の病って呼ばれてるやつを治せますっていうのもアレだから仕方ないか。


「ゴホッ……ゴホッ……た、田島氏!それは本当か!」

「落ち着いてください。ただ確認したいことがあります。やよいさんの今後です」

「……体調が戻ったら、ってことか」


石浜中将が椅子にもたれ掛かる。

昨日話を聞いた限りやよいさんはみんなのことをしっかり考える責任感が強いひとだ。

恐らく体調が戻ったらいの一番に軍艦に魔力を注ぎに行くはず。

それでまた魔力がなくなったら元も子もない。


「……規定として霊力がある海巫女は復帰する形となっている。但し滅霊失を患った海巫女はもう軍属から離れることになっている」

「じゃあやよいさんが軍艦に乗ることはないと」

「……いや、乗るな。あいつの性格上他人のために命をかけるからな。霊力が安定したらすぐに軍艦に飛び乗るぞ」

「……やっぱりですか。個人的にはまだ安静にしていただきたいんですが」

「俺もそう思う。今でさえ抜け出そうとしてると報告があるくらいだからな」


どこまで他人思いなんですか……

なら薬を渡す前にもうひとつの提案を先にしようかな。

そっちならやよいさんが安静にしてくれるだろうし。


「では、やよいさんを治す方法を教えますが、さらに1点、ご提案があります」

「やよいが治るならなんでも受けよう。あいつが元気なら俺はそれでいい!」

「……石浜中将ってやよいさんのこと好きなんですね?」

「……い、今はいいだろ!で、提案は?」

「やよいさんの代わりに自分が戦艦に魔力を注ぐことを許してください」


ブッ!


うぇえ、顔面にかかった……

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