第625話 雲母丸の武装
『ぷはー!疲れたー。あーさん、魔力補給よろー……』
明日のアレこれをやっていると蒸気の音が。
雲母丸が帰ってきたみたいだ。
時計を見ると17時半を過ぎている。
そういえば送迎は17:30がラストだったっけ。
後はシャトルバスと最寄り駅から帰ってもらう的なこと言ってたなー。
「おっすーお疲れ。今日はありがとうなー」
「……おい、雲母丸。設計上お前はフル充魔で地球3周は余裕のはずだぞ?何を甘えている?」
『へ?……ま、マスター?!何故ここに?!』
「……全く。想定しないタイミングでお前が起動したから見に来たというのに」
『す、すみません。まだ本調子じゃなくて……』
はい、親と子の感動の再会ですね。
口調は上司と部下だけど。
……まぁ、エクス的には上司と部下なんだろうなー。
「ハッハッハ!良いでは無いか!疲れたら休む、これは生物の生理要求だぞ?」
「初めましてー雲母丸。私はパルヴァディ、こちらはマイダーリンのシヴよ。今はエクス……デウス・エクス・マキナの上司に当たるわ」
『ふぇ?!マスター働いてるの?!てっきり引きこもってアニメ見てゲームしてるだけかと思ってた!』
「……お前、潰して燃えないゴミに出してやろうか?」
巨大な埋め立てゴミはNG。
そういえば、漫研の展示の後に少し話があるとか言ってたな。
その話を振ると雲母丸の事だったよ。
何でも、封印していた雲母丸が稼働したから何事かと思ったって。
そもそも初期起動用のハンドルを回せるやつが亜人でも極小数で設定していたらしいからエクスがガチ焦りしたらしい。
「もうその時の姿を画録しておけば良かった!いやー、慌て方が独特だったからな!初めて見た姿だったから中々興味深かった!ハッハッハ!」
「……そこまで焦ってない。すぐに監視カメラハッキングしてあーさんがハンドル回していることを確認したし」
「……しれっと犯罪やってんな。そもそもなんであんなに設定キツくしたんだ?元々卒業後も使えるようにするって言ってなかったか?卒研の先生にも話つけとく的なこと言ってたよな?」
見た目もこだわった雲母丸は普段使いも出来る想定だったからね?
崩城、駐車場から各学科等までが遠いのよ。
駐車場から1番遠い学科等まで歩いて15~20分ほどかかるんだもん。
山の上にあるからアップダウンが激しいからせめて学内を巡回出来るように設定しておこう的なこと言ってたのに!
「……いや、武装つけすぎたから。あんなの普段使い出来るか!」
「俺にキレるなよ?!そもそも武装付けるって言い始めたのはお前だろ?!そりゃ必殺技のところは監修したけども……」
「……大次元崩壊・三千世界横断砲だったか?あれこそ絶っっっっ対に世に出せないだろ?何だよ一発で惑星を滅ぼす魔力の巨大砲撃って……しかもガチで地球程度の大きさの惑星なら破壊できるように設定いじってたし……」
「それ言うならお前だって、雲母丸が人型合体ロボにする為に戦闘機とレーザー砲とか速射砲が付いている装甲列車用意してたよな?!合体したら地上最強、暴走モードありで暴走が停められなかったら自爆して半径200キロメートルを灰燼にするとかなんとか……あと天元突破鬼弩離榴!なんだよあのドリル!アニメに影響されすぎだろ!」
「……ドリルは漢の武器。歌も含めて最高のアニメだった」
『えぇ……そんな機能がついてるの?しかも合体ロボになれるの?!うっそだぁ……』
あるある。
なぜ必殺技を付けるのか……
そこに浪漫があるからだ!!!
ガシッ!
――――――――
閲覧ありがとうございます!
必殺技を使う機会は無いです。
星、ハート、コメントありがとうございます!
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