第458話 飲兵衛、飲み続ける

「おーい、あーさん。ツマミでなんか持ってないんかの?ティムの料理は何時も食べとるから宴感がなくての」

「妾にもお願いするのじゃー」

「……えぇー、からし蓮根齧ってろよ」

「「探索者が集まって地上のツマミで満足すると思うか!!」」


うるせー!満足しろよ!

あ!馬刺しもちゃっかり食べ終わってるし!

俺も食べたかったのに!

高いんだぞ!


「俺が食材持ってると思うか?基本家で備蓄する分しか持って帰らんて……」

「そういえばそうでしたねー。うちのソーセージも10本単位でしか持って帰らないですもんね旦那」

「そこは小市民なんですのね」


沢山あっても賞味期限切れたら嫌ですからね。

そもそも生肉が多いし、子どもも食べるから衛生面には十分配慮しているのです。

ツマミになるやつなんてあるかなー……


:飲兵衛コンビ、1体何本のんだ?

:ビール缶は50を超えたあたりで数えるのやめた

:ロマネ・コンティは最低でも樽ひとつ飲み干してる

:あと焼酎も9本空けてるな。一升瓶〈5000円〉

:えぇ....(困惑)

:アル中にも程があるやろ

:日本酒はまだ6本〈1000円〉


コメントで教えてもらったけどバケモンかよ……

合計何リットル飲んでるの?

肝臓の負担やばすぎだろ……

よく見たら巫女さんの腹ぽっこりなってるやん。


「私の干し肉では満足できませんの?」

「うーん、ビールには合うんじゃがな」

「合いすぎて満足してしまってのぉ」

「は?!私の干し肉!干し肉全部なくなってますわ!」


テーブルを見ると空の皿が並んでる。

干し肉、確か山盛りで置いてあったよね。

俺が食べるから3キロぐらい用意した、って最初にバクハさんから連絡あったけど二人で食べたんか……


「ツマミが無いなら取りに行かんとなぁ。あーさん、ちょっくら行ってこい」


ランファが手をヒラヒラさせながら俺を指さす。


「んな事出来るか!ティム君の飯で満足せぇ!」

「なーに、酒飲んどらんのはお前とティムだけじゃ。てことでティムも行ってこい」

「えぇーまたですか?昨日も狩りに行ったのにー」

「一応私もまだ1杯しか飲んでませんので動けますわよ?けどここから近いところとなると相当時間がかかりますわね?それだと配信が出来ないので無しですわね!うん!なしなし!」


バクハさん、一気にまとめたね。

けどそれが正しい。

ダンジョンに行くまでに時間がかかるし、そもそも狩りをして戻ってくるまでに最低でも1時間はかかるからね。

配信時間は限られてるし、そもそも雑談枠ですからね今日!


「だから雑談枠なので喋ってくださいな!巫女先輩も!配信だからレビューしてください!」

「ほー、配信というもんは大変なんじゃな。小娘は喋らんで良いのか?」

「妾は酒のレビューをするのが仕事じゃ!これを飲んでから……ぷはー!うん、美味しい!」

「なるほどなるほど!ではわしも参加するか!……ブハッ!うーん、美味い!もう1杯!」

「「ワッハッハッハ!!!!」」


……うん、酔っ払っは平常運転です。

てか、それレビューじゃなくない?





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