第413話 羽揚げ
「ホント何?!あのヤマメ!今まで食べた魚が嘘のようよ!美味しすぎる!」
「アラタさん!軽く出すもんじゃないです!?これ!前菜なんてもんじゃないですからね!?」
「すっごい美味しかったよ!また今度食べたい!」
CM中に何とか3人とも戻ってきたみたいで良かった良かった。
……プロデューサーさんからの目線が痛かったからね、本当によかった。
けど、本当に前菜でヤマメを出したからなー。
蛇の肉食べただけで皆ぶっ倒れて救急搬送されたりしたら目も当てられないよ……
「ほんと、面白い反応するねー。あーさんがウルテカに来た時も同じ反応だったけど」
「あれは美味しさの反応では無いでしょ……何よドラゴン食べてから『うまい、もう1匹』って……」
「あ、あれはすごかったです……ど!ドラゴン一匹丸ごと食べてからも、もう1匹本当にた、食べちゃったし」
「あの胃袋、中身見てみたいわよねー。あ、ケルー。揚げ終わった羽はこっちで味付お願いー」
四つの太陽メンバーはマルテジマクとヨラァリオンの解体を終えてそのまま料理に着手していた。
とりあえず最初はヨラァリオン―羽が生えた蛇―の調理から。
羽毛は綺麗に剥がしたあと油で揚げて塩コショウで味付けする。
塩コショウ、ほりこしとかのキャンプ用スパイスじゃなくて市販のものだけど大丈夫かな?
てか、羽揚げたら毛が歯に詰まったりしないかな?
肉についても同じく塩コショウで味付けして焼くだけらしい。
本当ならブツ切りにして煮込んで食べるそうだけど今回は時間もないので焼きオンリー。
羽を上げた油が余りそうならそのまま唐揚げにするって。
「ミセスマツミ、ヨラァリオンの羽揚げと焼き、どちらから召し上がられますか?」
「……テスラさんって言ったかしら?アンタ女なのに女の扱い方分かってるわねぇ。女性ファン多いでしょ?」
「いえいえ、そこまででは無いですよ。確かにファンレターとかはいただくことが多いですけどね」
「やだー。自覚してるタイプ?中々やりてねぇ。それじゃ先ずは羽揚げからいただきましょう。そのまま食べるの?」
「で、ですです。塩コショウで味付けをしています。お、お好みでチリソースもじ、準備してますので」
羽揚げ、見た目は完全に募金の時に貰う羽だね。
衣をつけずに揚げてるからほぼそのままだし。
ウルテカにいったときに食べた気もするけどもう忘れたから新鮮な気持ちで食べれるね。
マツミさんがひとつを口に運ぶとパリッといういい音が響く。
カッと目が開くと次々と羽を口に運び始めた。
「だ、大丈夫ですか?!マツミさん!」
プロデューサーさんが慌てて声をかける。
うん、俺も止めた方がいい気がするね。
目が怖いもん……
あれ、狩人の目だよ……
「うーん、滋養強壮に効くって話だったけどミセスマツミには聞きすぎたかな?」
「ま、探索者が1枚食べて1日疲れ知らずに動けるぐらいだから一般人からしたら中毒性が高いかも?けどあの体型なら動くぐらいがちょうどいいんじゃない?」
「こーら、ケルー。人の体型について触れないの。けど、食べ過ぎは良くないよねー。トロ、コーヒーとかある?」
「は、はい!じ、準備してます。こ、効能打ち消しのぎ、ギシャスルコーヒー。ま、マツミさん、これを飲んでください!」
「ゴクッ……ゴクッ……はっ!私は何を?あれ?羽が落ちてる?え?確か羽の揚げ物を貰ってから記憶がない……」
うん、これはテレビ向けじゃなかったなー。
失敗失敗。
――――――――
閲覧ありがとうございます。
羽揚げたぐらいじゃ口の中に残りそうですよね。
……ファンタジーということでここはひとつ
星、ハート、コメントよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます