第228話 ドラゴンがいた!

「……本当にモンスターがいないなー。ここまで居ないことなんて中々ないよ?」


現在、深層4区ボス部屋。

ボスのスカルオーガ二匹をぶっ飛ばしたところだし、普通なら道中、レイスやスケルトン、何ならマガイレイなんかも出てくるはずなんだよね。

本当に見ない、その痕跡すらないなんて。

念のため『迷宮掌握』で確認したけど本当にいなかったんだよね……


:こんなダンジョン初めてみた

:アンデットと言えば無限沸きだよな

:どっかのアホが神聖魔法ぶっぱしてエリア浄化したとか?〈1000円〉

:モンスターが食べた訳じゃなさそうだしなー


「コメントも分からない感じかー。まぁ何とかなるっしょ。さてさて奥に行きましょかー」


悩んでも仕方ない。

先に進みますか。

そう思って5区に向かう道に入った瞬間だった。


グギャガァァァァ!!!!


獰猛なモンスターの咆哮が響き渡る。

その後ガチャガチャと鉄かなにかが擦れる音、爆発音が続く。


「うぇ!なんぞ?先行パーティかな?」


ダンジョンだから先行して、潜ってるパーティがいてもおかしくはない。

けど鉄の音的に10人以上はいるっぽい。


:お、レイド戦?

:複数パーティーで戦ってる?

:深層で複数パーティーとかどっかクエスト出てたか?

:確か今だと池袋と名古屋だけだったはず。熊本では聞いたことないぞ

:これはフラグ〈20000円〉

:いい感じに何かあるなw


コメントでもあるようにそこまでの人数なら複数パーティ参加のレイドクエストってことで大々的に連絡があるはず。

けど今日潜る時に受付でそんなこと言われてないんだよね。

そもそも深層にレイドで潜るって熊本では聞いたことないぞ……


そんなことを考えながら深層5区に入る。

深層5区は巨大な広場がひとつある階層。

本来ならここで1000人のスケルトンなどのアンデットモンスターを倒すことでクリアとなる。


「なんじゃー、ありゃー……」


そんな広場の真ん中でドラゴンが暴れてました。

空にはレイスが飛び回り、足の周りには数十人のスケルトンやゾンビが攻撃していた。

ドラゴンが体当たりをする度に吹き飛ばされているが、まったく引く様子はない。

あのドラゴン、グレイトジョードラゴンだよな。

グレイトジョードラゴンはシャベルのように尖った大きな顎が特徴の地竜種のモンスター。

ネットだと見た目のインパクトからジョーさんとか言われてネタにされてたよな。

けど、腐ってもドラゴンだからパーティでの討伐推奨だし、毎年死人が出てたりする凶暴なドラゴンだよ。

それが瀕死になりながらスケルトンを吹き飛ばしてる光景は中々に怖いものがあるよね。


:ドラゴンキター〈50000円〉

:地竜じゃん!けどスケルトンに負けてね?

:ドラゴンの皮って並みの攻撃じゃ傷つかないよな

:レイスもおるのはじめてみたわ

:場合によっては剣折れる(経験談

:深層のスケルトンってそんなに強いん?〈2000円〉


……そうだよな。

スケルトンがドラゴンに勝てることはほぼない。

確かにここは無限にスケルトンが沸くけど物量でも超えられない壁がある。

なのにジョーさんは血だらけで今にも倒れそうだ。

よくよく見ると周りのアンデットから黒いもやが立ち上っている。


何かやばい気がする。


――――――――――

閲覧ありがとうございます!


久しぶりに1日2話以上公開した気がします。

ストックが少なくなった気がしますが

まだ20話ぐらいあるから義理耐えれる……はず!


明日からは1日2話に戻します。


星、ハート、コメントよろしくお願いします!

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