第213話 指名依頼の確認

「さて、話したいことは今回の指名依頼の件、詳細はご存じよね?」


サヒーリ王女が俺を見つめる。


「ダンジョンに潜る際の護衛でしたっけ?何処まで潜られるのかは伺ってませんが」

「そう、今回ニホンに来たのは勉学に励むことはもちろんですが、探索者としてのレベルを上げるために来たのです」

「……日本ってダンジョン後進国ですよね?アメリカとかイギリスの方がよいのでは?」


日本、いまだにダンジョンの探索が進んでないからね。

俺の配信がきっかけか分からないけど最近深層まで到達する探索者が出てきたけど世界的に見てもまだまだ下に位置してる。

……そもそもダンジョン産の素材やアイテムを持ち帰って換金しても税金でガッポリ持っていかれる制度が足を引っ張ってるんだよねー

アメリカから圧力かけてくれないかなーなんて。


「後進国、と言われていますがニホンはすごいです。ダンジョンが出来始めてからすぐに探索者の命を守る法律を整備していたり、ポーションの量産化や装備品開発では世界的に有名ですよ」

「確かに、そういった技術に関しては日本は他には負けないでしょうね」


魔改造大国日本の技術力をなめてはいけない。

ダンジョン産には及ばないけど下級ポーションの量産化は世界的にも大ニュースになってたし、装備品が学生がバイトして買えるぐらいには安く手に入るのも技術と企業努力のお陰だもんな。


「探索者として、未知のアイテムを持ち帰るのは目標ですがまずは自分の実力をつけてからでないと。その為にも万が一の場合にポーションが使える環境じゃないと危険ですから」


ナウロ王国のダンジョンは大きいところはある程度探索済みらしいけどそれでも3割程度、そもそも海中などの特殊環境に出現したダンジョンも数多くあるそうで目下探索者の育成が急務らしい。

サヒーリ王女としては探索者チームを国として作りたいそうで、探索者の育成について学びたいとのこと。


……パッと聞いた感じ、俺に教えられることはなさそうなんですが、俺要ります?




――――――――――

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