第132話 vsダレティ 4

「しゃーねぇなー。あれ使うか」

俺はアイテムバックに無事な手を突っ込んだ。

「ふん。もうどうしようもないでしょ?諦めて死になさい」

ピエロの口から赤い光が溢れてくる。

「『バーニング・ジェスター』」

出てきたのは真っ赤に燃えた炎の塊。

塊は徐々に分かれながら形を変えていく。

変化が終わるとそこには炎をまとったピエロが13人立っていた。

「ククク、『バーニング・ジェスター』は消えることのない炎、ワタシの名『鮮血道化師』の意味味わいなさい!」


一斉に俺に向かって突撃してくる炎。

それぞれ剣や鎌、槍等を持っている。


「いってこい。『草千里』」

アイテムバックから取り出したものを力任せに振る。


振った先から青い衝撃波が飛び、炎を吹き飛ばす。

うん、適当に振っただけじゃ流石に全部消滅させることはできないか。


「な?!」

ピエロはその光景が理解できないようだ。

俺が振ったのは鉄の塊、トミーから貰った鉄板『草千里』

アダマンタイトとオリハルコンで作られた特大剣だ。

便利機能で肉焼き機能もついてる。


「8年間で色々あってな。俺も武器を使うようになったさ」

「……規格外め」

「褒め言葉としていただきます。それじゃ終演といこうか」


俺は片手だけで剣を振り下ろす。

残った炎の道化師が風圧で飛散、斬撃が二つある顔のひとつに当たる。


「ぐぎゃぁぁぁ」

叫び声をあげながら顔が消えていく。

ダメージは与えてるけど本体じゃないな。

残った顔に向かって更に一閃。

こちらはギリギリで避けられた。


「おのれ!おのれおのれおのれ!」

「うるさいぞ、ピエロ!しっかり道化師を演じてみろ」

「『バーニング・ジェスター』!『ダークジャグリング』!」

黒と赤の波が襲ってくる。

集中力がかけてきているのかさっきほど威力がない。

黒い玉も少ないし炎の道化師も三人ほどだ。


「じゃ。終わりだ」


力を込めて横に一閃。

その瞬間、時間が止まった。

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