　まだ日本シリーズ進出決定の興奮冷めやらぬ中ではありますが、今週の木曜日（10/24）についに2024年のドラフトが行われます。という訳で、今年もやります、ドラフト直前予想！　希望的観測も込みになりますが、そこはご愛敬と言うことで。

　大前提として、私はドラフトで入団する選手については、即戦力になる可能性は低いと思っています。プロで1年目から活躍できる選手は年に数人ですし、そういった選手でも1年間通して活躍するのはほんの一握りだけです。つまり、ルーキーイヤーからいきなりチームのコアとして活躍できる選手は基本的には居ないと思って良いと考えています（牧選手みたいな存在はかなり稀で、度会選手も相当頑張ったと思っています）。ですので、ドラフトは早くても2~3年でチームのコアになる、あるいは一軍戦力となると良いなくらいに考えておいて、直近の戦力不足はドラフトではなくトレードやFA、あるいは外国人選手の獲得で補うべきだと思います（ただし社会人卒の中継ぎは例外的に1年目からある程度1軍で投げて欲しい選手も居る）。そのため、基本的に予想していく上でも「すぐ活躍できるか」よりも「3年後にどんな選手が必要か」に主眼を置いて考えていきたいと思います。

　ではまず、野手を優先的に指名するのか、それとも投手を中心に指名するのか、について。これは、個人的には今年は投手中心のドラフトになるだろうと予想しています。その理由は、主に以下の3点です。

　1．24歳以下で主に先発として起用されているのが（ファームを含めて）支配下では小園投手、森下投手、松本隆投手、深沢投手、石田裕投手と少ない

　2．野手ではコアになりそうな選手が台頭してきた（例えば度会選手、梶原選手、蝦名選手）

　3．ショートは不安があるが、森選手が後半戦で台頭してきた＋現代において即戦力で1年目からレギュラーを張れる選手は稀

　多くの横浜ファンが不安視しているのは、恐らく先発投手とショートではないかと思います。ただ、ショートについては、森選手（2019年1位）、林選手（2022年3位）、石上選手（2023年4位）と同年代の選手が3人居ますし、森選手は後半戦で欠かせない戦力となってきており来季以降のレギュラー定着が期待出来るところまで来ています。その森選手もまだ22歳で来年の大卒ルーキーと同い年ですし、林選手もある程度1軍の戦力になっていて石上選手もオープン戦やファームで一定の成績を残していることを踏まえれば、これ以上この年齢層にショートを加える必要はあまりないのかな、と思います。それを考えると、ドラフトで大学・社会人のショートを指名する優先度はそこまで高くないのかなと思います。ただし、それ以下の年齢層の内野手はコーナーを守る選手が多いため、ここにスケールの大きなショートを入れておきたいような感じはします。中位～下位で良い高卒のショート（たとえば早稲田実業高の宇野選手や桐光学園高の森選手）が残るようであれば、森選手や林選手の次の世代のレギュラー候補として獲得するのはありだと思います（特に、高卒ショートは身体能力が高い選手が多く、バッティングが期待出来るのであれば将来的なコンバートも視野に入ってくるので）。

　また、打線を考えても、外野手を中心に将来的に主軸を張れそうな若手が一気に出てきています。特に今季は梶原選手、蝦名選手、度会選手が一軍で爪痕を残していますし、サードの井上選手もファームでかなり良い成績を残しています。また、育成枠でもコーナーを中心に守るスケールの大きな選手が複数名居る（例えば蓮選手、高見澤選手、小笠原選手など）ので、将来的にこの層を育てられれば打線の軸を担う選手には困らないでしょう。少なくとも、ドラフトにおける優先順位は高くないと思います。ただ、高卒の外野手は二刀流の武田投手が居るだけで、若手が少ないポジションではあるので、もう1人くらい居ても良いのかなと思います（特にスラッガータイプ）。また、宮﨑選手の後釜も、現状だと知野選手と井上選手くらい（場合によっては松尾選手のサードオプションも考えられますが）なので、ここにもう1人くらいサード争いができる選手を入れても良いかもしれません。

　一方で、投手はコアになりそうな若手が少ないのが現状です。これは去年のドラフトで野手を中心に獲得した（これで野手の不安を一気に解消できる目処が立ったのでこの方針は間違っていなかったと思います）ので、その分投手が不足気味になっているというのがあります。ただ、リリーフができる若手～中堅の投手が今シーズンは複数名台頭してきた（例えば徳山投手、坂本投手、中川虎投手）こともあって、この先数年はリリーフについては計算出来ると思いますし、ファームでは育成枠の渡邊明貴投手が好投していたのも好材料です。ベイスターズは先発として期待されていた選手がリリーバーとして活躍するケースも多くある（例えば上茶谷投手、徳山投手など）ため、現在ファームで先発として起用されている選手のリリーフ転向も出てくると予想します。しかし、その逆はほとんど例がありません。となるとやはり、先発のコアとなることが期待出来る選手の優先順位が高くなってくるのではないでしょうか（ただし、石川投手をリリースしたこともあって、左のリリーバーが不足気味というのはありますので、ここは獲得を検討しても良いかも）。もう少し突っ込んでみると、若手で先発が多い選手は右のオーバースローの小園投手と石田裕投手と吉野投手、右のサイドスローの深沢投手、左が森下投手、松本隆投手、武田投手。右腕は軟投派が多く、左腕は森下投手と武田投手が高卒3年以内とかなり若い選手が多い状況です。

　また、これまで戦力外と引退で退団が決まった選手の内訳をみると、支配下では投手3名、捕手0名、内野手と外野手が2名ずつ。ここからドラフト結果次第ではもう数名出てくるかもしれませんが、ここから先は育成枠を打診される選手がメインになってくるのかなと思っています。指名人数は6名前後かな、という予想です。怪我人が多く居る状況を踏まえると、育成も3～5人指名してくるかな、と考えています。

　これらを踏まえた時に、このドラフトで指名すべきポイントは以下の通りかなと思います（上に行くほど優先順位が高い）。

　・2～3年後に先発ローテの柱になるピッチャー（右の本格派かサウスポー）

　・リリーフタイプの即戦力（特にサウスポー）

　・将来コアになる高卒の野手（内外野問わず）

　・高卒右腕

　・宮﨑選手の後釜候補

　・スケール感の大きな選手

　・高卒捕手

　戦力外の人数を踏まえると指名人数は6名前後かな、と予想します。怪我人が多く居る状況を踏まえると、育成も3～5人指名してくるかな、と考えています。

　これらを踏まえて、現時点での指名予想をしてみます。

　1位　金丸夢斗　投手（関西大）→外れ1位　中村優斗　投手（愛知工業大）

　2位　宇野真仁朗　内野手（早稲田実高）

　3位　藤田琉生　投手（東海大相模高）

　4位　モイセエフ・ニキータ　外野手（豊川高）

　5位　箱山遥人　捕手（健大高崎高）

　6位　細川拓哉（トヨタ自動車）

　7位　知念大成　外野手（オイシックス新潟）

　育成1位　安里海　投手（神奈川フューチャードリームス）

　育成2位　清原正吾　内野手（慶應義塾大）

　育成3位　浅利太門　投手（明治大）

　育成4位　山口廉王　投手（仙台育英高）

　1位は大卒ナンバーワン左腕の金丸投手と予想しました。中村優斗投手（愛知工業大）も候補に入ると思いますが、金丸選手はピッチャーとしてのタイプが今永選手と似ており、ベイスターズにフィットしそうな気がするので金丸選手を1位予想としました。ただ、ここはベイスターズのスカウト陣が良いと思った方を指名してくることになるかと思います。もし中村投手が外れ1位まで残るなら、間違いなく2度目の競合覚悟で指名しに行くと思います（意外と金丸選手･西川選手･宗山選手に集まって中村投手が残るかもしれないと思っている）。残っていないなら、富士大の佐藤選手の可能性もあるとみています。

　2位では、早稲田実高校の宇野真二朗選手と予想しました。スケール感の大きなショートで、身体能力が高く特に打撃力に定評のある選手です。高卒の内野手は支配下ではここ数年指名して居らずこの年齢層のコアになる選手を入れても良いのかな、というところで予想しました。

　3位では、地元出身の本格派・藤田投手を予想しました。スケール感が大きく、直球の威力が魅力的です。ベイスターズには近い年齢層で本格派が少ないこともあり、また地元出身でチームにも馴染みやすいかと考えました。

　4位以下は、打撃能力重視、スケール感重視で予想しました。4位のニキータ選手は長打力に期待がかかる選手で、まだまだ荒削りな部分はありますが非常に今後が楽しみな選手です。将来的には万波選手や大田選手などのように、高い身体能力を活かしたプレーができる選手になる存在だと思います。5位予想の健大高崎の箱山選手は、高校日本代表にも選ばれたキャッチャーです。ニキータ選手とともにこの順位まで残るかは怪しいと思いますが、スケール感が大きく楽しみな選手であることは間違いありません。人数的に捕手は1人指名してくると思っていますので、箱山選手が残らないのであれば横浜高の椎木選手の指名も有り得るかもしれません。6位は細川成也選手の弟、細川拓哉投手を予想しました。球威が魅力的なリリーフタイプのピッチャーで、獲得できれば中継ぎの厚みが増すことになるでしょう。7位は個人的に注目しているという理由で、オイシックスの知念選手を入れました。今季ファームで首位打者を獲得したバットマンタイプで、これだけ打てるなら一軍で見てみたい選手です。知念選手もこの順位まで残るか怪しいと思いますが、残っているなら指名して欲しい選手です。

育成枠は、投手を中心に個人的に楽しみだと思う素材型の選手を入れました。特に安里選手は即戦力クラスだと思っており、場合によっては支配下での指名もあるかもしれないと思っている左腕です。育成3位の浅利選手と育成4位の山口投手はスケール感の大きな右腕で、ともに長身から投げ下ろす角度のあるボールが武器の選手です。あまりベイスターズには居ないタイプなので、こういう選手が入ってくればチームとしてもバリエーションが出て面白くなりそうです。育成2位の清原選手は、まだまだ未知数の部分が大きい選手ですが、大学4年間でこれだけ成長したのはもの凄いことだと思いますし、時間は掛かるかもしれませんがスケール感は楽しみな選手です。天井が高そうだと言うことと、大学での成長を考えて指名してみても良いのかなと思いました。

　という訳で、私の予想はこんな感じです！　特に上位指名は1位で指名予定の選手が獲れるかどうかで変わってくる部分だと思うので、大きく外す予想になるかもしれませんが、私は今年はとにかく先発ローテの柱になるピッチャーに行くと思っています。ただ、書き出して予想してみると、思ったよりも野手多めになってしまいました。皆さんは、オススメの選手や指名を予想している選手は居ますか？　もし良ければ、コメントで教えていただけると嬉しいです。ではでは、本番を楽しみに見てみましょう！　ではまた次回！