漫才

久石あまね

漫才 「病院編」

「病気の待合っていろんなやついるよな」

「サムライとかな」

「いや、それはいねーよ」

「例えばだよ、ブランドもんギラギラつけてるおばちゃんとか、いつもおんなじ服装のおっちゃんとか、受付に怒鳴ってるお兄さんとか」

「あ〜ジーパン前と後ろ反対に履いてるやつとか」

「そんなやついねーよ、お前さっきから何言ってんだ」

「僕はデイビッドです」

「いきなり、何自己紹介してんだよ。お前そんな名前じゃねーだろ。やべーこいつ話通じねえ」

「今日、朝、田植えしてました」

「嘘つくなよ、今、冬だろ」

「看護師ってさ、なんであんなに男女比偏ってんの。女の看護師ばっかりだよね。もう少し男の看護師がいてもいーじゃねぇか?」

「僕に聞いてるんですか?」

「そうだよ、お前に聞いてるのだよ。お前にしか話しかけてねーじゃん」

「今日、朝、山に芝刈りに行ってました」

「やべーこいつやっぱ話通じねえ」

「お婆さんは川に洗濯に…やがて川に桃が流れてきて…」

「お前何急に桃太郎語ってんだよ」

「アーノルド・シュワルツェネッガーは本物のターミナルネーターです」

「やっぱお前話通じねえな」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る