第26話 アイスの思い

 ~~~~アイス視点~~~~


「さらばだキア、元気で生きろよ。」


「アイス、お前も逃げろ。何もここで戦う必要はない。ここは俺達が食い止める。だからいけ。」


「父上、それはできません。俺はここでフレアー家と戦う運命です。」


「お前はそう言うと思ったよ。これ以上何を言っても聞かないんだろ。母さんそっくりだ。」


「はい。申し訳ございません。」


「ちなみに、私も逃げませんからね。」


「分かってるよ。キア目が覚めたら動揺するよな。」


「ええ、するでしょうね。でもあの子なら大丈夫きっと強く生きてくれるわ。」


 キア、今後のお前をサポートしてやることはできなくなる。叶うならいつかフレアー家を倒して、平和な国を作ってくれ。


「キアを馬車へ、早くこの場から逃がしてくれ。」


「かしこまりました。」


 行ったか。結局この人生でも俺の力では何も変えられなかった。フレアー家の情報を集めて、今ままでの人生のパターンに合わせて対策を打ったが何故か先手を打たれる。

 何故なんだ、フレアー家の中にも俺と同じようにループしている奴がいるのか。もし、そうだとすると俺は何度も負けているという事だな。

 

「おや、おや。グラスト家の皆さんお揃いで。」


「フレアー家。おい、家の使用人たちはどうした。」


「使用人ですか??ああ、これの事ですか。」


 あいつら、メイドや執事を皆殺しにしやがった。


「お前ら。」


 父上、当然お怒りだな。


「覚悟はできてるか、フレアー家。ただでは済まないぞ。」


「おやおや、グラスト家当主もついに頭がおかしくなりましたか。状況を見て物を言ってください。」


 フレアー家の兵隊が100人以上。それに国内の凄腕がゴロゴロと。最悪な事にこの国の剣聖が3人そろっている。一番厄介のがフレアー家当主とその子どもだな。

 こちらは、すでに数人の使用人と俺達しかいない。勝ち目はないだろ。

 

「ん?神童はどうした?今回の国の騒動の実行犯なんですから当然死刑です。どこに隠した?」


「さあな、お前たちに教える義理はない。」


「ガース、探して始末しろ。」


「はい。」


「アイスフィールド。行かせないぞ。」


「チッ。どけよ。」

 

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