第24話 アイスの人生
「詳しく説明すると、ややこしくなるが俺は転生者というものでは無く、人生をループしている者と行った方がいいな。」
「人生をループしている?」
「そうだ、今詳しく説明している時間はないが、おれは同じ人生を繰り返していて必ず同じ結果に辿りついている。」
アイスが大人びている理由はこれだったんだ。
「兄上は生まれた時から、前の人生の記憶が有るんですか?」
「いや、赤ん坊の時は記憶がない。自我が芽生えた少し後に前世を思い出す。」
「そうなんですね。」
俺とはまた違うタイプの転生者なんだな。ん、待てよ。じゃああのダンジョンのでの出来事もアイスのループと関係が有るってことなのか?
「兄上、僕がまだ小さい頃フレアー家が来た時、僕は気が付いたらダンジョンに居て、死にそうなところを兄上に助けてもらった記憶が有ります。あの日から何度か兄上にその事を聞きましたが教えてくれませんでした。年月が経つにつれてあれが現実だったのか、幼い日に見た夢だったのか分からなくなりました。あの日の出来事は現実なのでしょうか?」
「現実だ。」
やっぱりそうだったんだ。あの日本当は何が起こったんだ?
「あの日、僕は確かフレアー家の子供に何か言われて気が付いたらダンジョンに居ました。何があったんですか?」
「フレアー家の子供か、その話をする前に少しだけ伝えておきたい事がある。俺が繰り返している人生の終着点は毎回、必ずフレアー家に家族や使用人を皆殺しにされる。どんなルートを辿っても変わらない。何をしてもそこに行きつく。」
「そんな。」
「ただな、今回の人生で一つだけ違う事が有るんだ。」
「違う事?」
「そうだ、キア。お前だ。俺が知っている人生でキアと言う弟にあった事がない。俺に弟が居たことが無いんだ。だから、俺はお前がこのループを抜け出す希望だと思っている。」
「僕が希望ですか?」
「そうだ、あの日。俺はフレアー家を警戒して屋敷を見回っていた。その時にお前が消えるところを見た。そのあとすぐに謎の声が聞こえて。【あの少年を助けて】と聞こえて。氷魔法でドア作った。そう謎の声に指示されたんだ。そして扉を開けたらあのダンジョンにいた。」
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