残業し過ぎて人生終わったけど、異世界で生きるわ。
月日
第1話 プロローグ
〜ダンジョン最深部〜
「いけない、はやくここから逃げて。あなたまで死んじゃう。」
星空のような色の長い髪の女性が、顔をクシャクシャにしながら叫んでいる。
しかし綺麗な人だなぁ。
「それはできない。今ここから逃げたら一生後悔する。」
地面は水びたしだし、天井は崩れ始めている。しかもなんだこの変な光は。
*********
〜
深夜のオフィス〜
ああ、眠たい。マジで死んじまうよ。みんなこんなに仕事、残して帰るなよ。
「無理しないで帰っていいからね。」って上司はいってたけど、こんな状況で明日の人に託せないっての。昼間はクレームだらけだし。
まあ、みんなが悪いわけではないんだけどな。
クライアントが問題を起こしたせいで、こっちの仕事が鬼のように増えているって言うのに、給料は増えないのかよ。おまけに問題起こした奴らは普通に帰ってるし、いい加減にしてくれよ。
寝ないで働けや。
まあ、愚痴を言っても始まらないからコーヒーでも飲んで、また頑張るか。
プルルル
電話が鳴ってるな。
「はい、お疲れ様です。」
「あ、お疲れ様です。私帰るので最後の戸締りお願いしますね!」
「了解です。お疲れ様です。」
プープー
ああ、今日もこのビルに最後まで残ってるの俺かよ・・・。ここ数日まともに寝てないな。
家に帰ってもなかなか寝つけないし。
「あしたも忙しいかなぁ」なんて考えてると寝れなくなるんだよな。
さあ、コーヒー飲んで頑張ろう。ん、今日コーヒー飲むの何杯目だっけ。
〜3時間後〜
ふぅー。一旦今日やれることはここまでだな、頑張ったー。
さあ、ビルの点検して帰ろう。
上の階の電気消しに行かないと。
ドクン、ドクン、ドクン
階段上がっただけで、こんなに心臓の動き早く鳴ってたか?
電気消したし、早く帰ろ・・
ドクン、ドク、ドク、ド・・・
やばい、心臓が変だ。あれ、うまく体も動かせない。
視界が白んできて、何も見えない。ヤバ、なんか体冷たいな。
これ冗談じゃなく、死ぬな。
ヤバ・・・。意識が・・・
********
ん、なんだ、暖かい?体が思うように動かない、でもさっきより動いてる気がする。
「・ア」
「・・様」
「・ア!」
「キア」
なんだ、周りに人がいるのか。しかも一人じゃない感じだ。
おれは確かビルの中で意識が途絶えそうになっていたはず。そうだカフェイン取りすぎて心臓おかしくなってたんだ。
あれ、体冷たくないな。もしかして、救急車で運ばれたのかな?
「キア」
「キア様」
てか、さっきから`キア`ってなんだよ。うるさいな。
あ、まぶた開けれそうだな。
うわ、めっちゃ美人、だれですか。てか近い。何か言わないと。
「バブゥ」
あれ、なんか変な音出たな、取り敢えずこの美人に挨拶しないと。
「バブぶぶぶ。」
・・・しゃべれない。
「あら、あら。私のかわいいキアちゃん!!」
はい?なんだこの人、美人だけど頭おかしい人か。ヤバいやつか。
ん、待てよ。この人こっちを見て`キア`って言ったか?
「おお、キア。静か過ぎるから心配したぞ。」
お、イケメン。この人もこっちを見ながら`キア`っていうのか。
この二人の綺麗な顔立ち、見た事ないな。
おお、体が浮いた。違う。あの美人に抱きかかえられたんだ。
この80キロある肉体を簡単に持ち上げた????
巨人か・・・違うか。
何となく気づいていたけど、俺死んだんだろうな。
これは、あれだ、よく見てたアニメとか小説である設定の【異世界転生】だ。
本当にあるんだなぁ。てか、そうなるとおれの死因カフェインの過剰摂取なのか。やっちまったなー。アイツらしいって周りの人笑うだろうな。まあ、いいか好きなものでしんだなら
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