魔法の森から山脈へ
第24話 ペルニジムとの別れと魔法の森
1節 出発の計画(おおざっぱ)
「つーわけで朝になったわけだが」(朝凪
「わけだが?」(矢矧
「そろそろこの街離れん?」(朝凪
「あー」(睦月
「確かにもう2週間くらい滞在してますしね」(時雨
「そうなんだよ」(朝凪
「じゃーどっかアテはあるん?」(如月
「逆に聞くがどっか行きたいとこあるん?」(朝凪
「あのでっかい山脈とか!」(如月
「あー」(矢矧
「あれなんていう山脈なんだ?」(矢矧
「“アンディア山脈”らしい」(朝凪
「なんかアンデス山脈みたいだなあ」(睦月
「ちょっと思ったけど色々スケール違うからね」(朝凪
「なんかたかやま病とかなかったっけ」(如月
「
「それだ!」(如月
「えぇ・・・」(朝凪
そんなこんなで次の目的地はアンディア山脈に決まった。
ちなみにこの世界では高山病の
まあ行くとしてもこの森の道、かなり曲がりくねっていたり小さい丘がたくさんあったりで微妙な高低差が多いので山脈の
2節 ペルニジムとの別れ
昼頃、全員で車に乗り込み出発する。
「んじゃ行くかー」
「ほーい」
いつものように、スロットルレバーを押し上げてクラッチを繋ぐ。
とりあえず街の出口を目指して進め始める。
「またしばらくキャンプ生活かぁ〜」(睦月
「キャンプも楽しいしよくない?」(如月
「そりゃ嫌じゃないけどさあ。時雨の料理も食べれるし」(睦月
「ありがとうございます」(時雨
「そりゃ時雨の料理うまいもんなあ」(矢矧
「どうやったら異世界の食材であの味にできるんだろ……」(睦月
そんなことをずっと話してるうちに街を抜けて森の中の道に入った。
道は一応そこそこ幅はあるが、舗装はされていない。
そのせいでめちゃくちゃ揺れる。
特にこの車は古いので振動がすごく伝わるし、おまけにモーターでハンドリングを補助するパワーステアリングが装備されていないせいでとても運転しずらい。
具体的に言うとハンドルに常に力をかけていないと振動や小石などで変な方向へ進んでしまう。
あいつら体力あるし多分どうにかなるだろ。
————1時間後
「そろそろ飯食わん?」
「そうですね、良い時間です」
「どっか停まれそうなとこあるかなあ」
車を進めながら、矢矧に見てもらったり直接見たりミラー見たりで車を停められてなおかつスペースがある場所を探す。
睦月曰く貨物室を覗くと振動や段差で貨物室の積荷がものすごいことになってるらしいのでそれも直したい。
食料と楽器がひどいことになってないと良いのだが。楽器はケースの中に入っているので大丈夫だと思いたい。
でもその前にとりあえず道から外れたい。
しばらく進むと、道から少し外れた位置にある木の生えていない小さい空き地を見つけた。そこに頭から車を突っ込み、昼飯と休憩を取ることにした。
3節 昼寝(夜まで)
今日の昼飯はいつもと同じように、と言ってもこの料理をすでにいつもと言えるような日数が経っているか微妙だが、パン、魚の塩焼き、山菜サラダ、薬草スープ。この4品だ。毎回微妙に風味だったり味だったりが色々違うので飽きない。ついでに健康的で美味しい。
「次何時くらいに出る?」(朝凪
「食い終わって片付けして食休み取ったらでいいんじゃね?」(矢矧
「まあそんくらいだよねー」(朝凪
「それじゃあ片付けはしておきますね」(時雨
「ありがと」(朝凪
「あ、坂田くんと矢矧は2つある一斗缶の水が両方少なくなってきたので、すぐ近くに川があるので補給お願いします」(時雨
「あいよー」(朝凪
10分後
「食休みってどれくらい取ればいいんだっけ」(睦月
「大体1時間くらいは取ったほうがいいとは言われてますね」(時雨
「えーその間何してればいい?」(如月
「寝てりゃいいんじゃね」(矢矧
「んじゃ寝るか」(朝凪
「だね」(睦月
「ですね」(時雨
「おけ」(如月
時刻:19時30分
「ん〜おはよぉ〜……あれ?」(朝凪
「おは〜……うん?」(如月
「おはようございま……おかしいですね」(時雨
「おはよう……お?」(睦月
「これはもしかしてもしかしなくても」(矢矧
『夜だ』(一同
「え、今何分?」(睦月
「車の時計見てくる」(朝凪
「あざ」(睦月
「えと、今ね、19時33分」(朝凪
「まったくなにしてんだか」(朝凪
「お前もな」(矢矧
「えー、これどーする?」(睦月
「二度寝する?」(如月
「眠気皆無なんですがそれは」(朝凪
「それな」(矢矧
「寝れる訳がないです」(時雨
「え、じゃあ進む?」(如月
「そーするかあ」(朝凪
「おまえら寝てていいからなとりま」(朝凪
「お、ありがと」(矢矧
「お前は途中で起こすから変われ」(朝凪
「ケチ」(矢矧
「ケチじゃねぇたまには労われ」(朝凪
「しゃーねぇなあ」(矢矧
というわけでみんながスヤスヤ眠る中僕だけ起きて運転することになった。おまえら眠気ないとかほざいてなかったか?
しゃーないのでエンジンを起動する。一応エンジン音は車内だと割と静かになるのでそこは大丈夫だろう。出力全開にでもしない限りは。
バックで道へ戻り、またギアを切り替えて前進する。少しだけ出力を上げる。
そうしたらもうあとはただただ暇な時間が続く。
「あ、あぶね」
ヘッドライトを点灯させるのを忘れていた。さっきまで
どうせ前に車がいる訳もないので、
すると、パッと一気に前方が照らされる。めちゃくちゃ明るい。どれくらいかと言うと100メートルくらい先まで見える。
あとは他に何かしないといけないことはない。
室内灯を消して、スイッチ類やメーターなど運転席周りのものだけ見えるようにす
るライトのスイッチがあったのでそれを点灯させる。オレンジ色の明かりなので目にも優しい。
それじゃあ、しばらく退屈な夜の運転に
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