第14話

 幕間的なやつPERT2。


 長いけどセリフばっかです。

 簡易的なチーム紹介ですね。


 もし、しんどかったら後書きにまとめてあるのでそこを見てください。

 

(追記6/26/11:30)トーナメントがおかしかったので修正しました。申し訳ありません。

────────────────────


 都内某所───


「ういー。あれー?Lexだー。何見てんのー?」

「ん?あぁ、Asterか。いや、ちょっと友人の晴れ舞台をな…」


 Lexと呼ばれた男の手にはスマホが握られていた。画面にはCW対ROGのスコアボード。一人の友人として、彼はRiv4lのCW加入後初公式戦をチェックしていた。


「あー。なんか新しい人入ったんでしょー?つよいのー?」

「強いぜ。俺も早く戦いてぇよ」

「………ふーん。君もそんなこと言うんだねー。……………楽しみになってきたー」

「ほんとに思ってるかそれ?……まぁいいか。Riv4l、早くやりてぇなぁ」



 飢える獅子が爪を研ぎ─────





「お、やっぱり上がってきたか」


 自分たちのブロックの決勝を早々に片付け雑談に興じていたMRの二人LexとAsterがRiv4lの話をしているのと同時刻。


 別の場所ではファンに茶会と呼ばれる男が同じサイトを眺めていた。


「……なんか嬉しいなぁ」


 自分を立ち直らせ前を向かせてくれた青年。その彼がチームを引っ張る活躍をして去年の6位を倒し勝ち上がる。


 立ち向かう勇者Riv4lと迎え撃つ魔王自分。戦う舞台は恐らく決勝戦・・・

 できすぎた物語のように、彼にはまるで神が大会で直接感謝を告げる機会を与えてくれているように感じた。


「プレッシャーなんかじゃない、純粋に楽しみな大会も久しぶりだ」


 なんとなく窓の外を見ると、そこには雲一つない快晴が広がっている。


「さぁ、待ってるよRiv4lくん」



 ─────王者が悠々と待ち受ける。




 彼らの思惑が交差し吹き荒れる本戦は波乱とともに・・・・・・直ぐそこまで迫っていた。



 ♢♢♢



『さぁ始まりましたClashtagTV!いつも通り私アイとキャスターのユーさんでお送りいたします。今回はズバリ夏のメインイベントについて!各チームの講評です!』

『うおおおおおお!!』


『今回は特別ゲストとして、先日プロを引退されたばかりのMRストリーマー部門所属メイガストさんに来ていただきました!』

『magustです。よろしくお願いします』

『はーいお願いします!では早速ですね………えーっと皆さんご存知かもしれませんが、今回は色々と波乱がありましたよね?そこからおさらいしていこうかなー』


『こほん。では私、ユーから挙げさせていただきますね。まず一つ目がCW対ROGですねぇ。これは驚きました』

『まさか予選で昨年の上位2チームがぶつかるなんて思っても見ませんでしたからね!しかもCWもROGもスタメンに新加入組が居たというね!』

『Ghost選手とRiv4l選手ですね。Ghost選手は皆様ご存知の通り、昨年MRでmagustさんとも一緒に戦っていた選手で国内屈指のホールダーです。こちらの方ですね』


『いやー、ホント現役時代は彼に助けられましたからね。Ghostはホントに強いんですよ』

『そうなんです。Ghost選手滅茶苦茶強いんですけど、なんと今回はROGが負ける形となりました』

『まぁ昨年3位は伊達じゃなかったというところ…………と言いたいんですが、なんとここで新加入組のRiv4l選手がキーとなっているんですよね!』

『はい。えー、Riv4l選手はこのROG戦のみでスタメンに入っているのですが、交代したのはSigM4選手。丁寧な立ち回りと冷静な判断でチームを支えるベテラン選手です。彼を抜いて新加入のRiv4l選手を入れたのなら間違いなくチームの色は変わっていたでしょうね』

『そうだと思います!しかもなんと、一戦目はサーチャーじゃないんですよ!オリオン使ってます!』

『Riv4l選手はCW加入当初からフレックス選手として一部のファンや選手から知られていましたからね』

『スコアも堂々のMVP!ACSAverage Combat Scoreも高く、FBFirst Bloodもしっかり取っていたみたいです!』

『現王者DDのリーダーTeabreakが勧誘しただけはある、といったところです』

『あーそれも話したいです!』

『え、なんかあったんですか?』

『実は──────』


『話を戻して二つ目ですね。昨年8位FENRIRフェンリルを倒してメインイベントに駒を進めたダークホース、DKDarknessKnightの存在です』

『彼らは実は全くの無名選手たちの集まりで────────』



『ではようやく本題です!えぇ、今からなんです!今回も熱いトーナメントが組まれてますよー!』


1回戦目

 DD vs. DK ──(A)

 FF vs. AEG ──(B)

 MR vs. SS ──(C)

 PLN vs. CW ──(D)


2回戦目(W:WINNER L:LOSER)

 (A)W vs.(B)W ──(E)

 (C)W vs.(D)W ──(F)

 (A)L vs.(B)L ──(G)

 (C)L vs.(D)L ──(H)


3回戦目

 (E)W vs.(F)W ──(I)

(E)L vs. (G)W ──(J)

(F)L vs. (H)W ──(K)


4回戦目

 (J)W vs. (K)W ──(L)


(L)W vs. (I)L ──(M)


5回戦目(BO5三本先取)

 (I)W vs. (M)W



『形式は今までと変わらず基本BO3で進めていき、5回戦目──つまり決勝戦だけBO5という形ですね』

『さぁ各チームについて語っていきましょうよ!』


『では順に行きますか。まずDualDartsDDです。注目はやはりリーダーTeabreakの使うフェイカーの活躍ですね』

『個人個人が国内最強格の選手ですが連携も上手い!日本の絶対王者です!今年も期待が高まります!』

『僕が戦ったときはもうコテンパンにされました。誰かこの牙城を崩してほしいですねぇ』


『次はDarknessKnightDKです。こちらは先ほど説明しました今大会のダークホース、昨年8位のFENRIRを倒したチームですね』

『我々はスコアボードしか見れないため、詳しいことは分からないですがFENRIRに13:5、13:7とストレート勝ちしています!』

『注目選手はReduce選手とblueno選手です。噂では二人は実の兄弟らしく、以心伝心のコンビネーションが見られるとのことです』

『残りの選手はGR33N選手、Blacky選手、WhiteNOISE選手………悉く聞いたことが無いメンバーですね』

『私も長いこと解説やらせていただいてますが、見たことがない選手ばかりです。彼らがどのような快進撃を見せてくれるか、楽しみです』


『3チーム目!FeelFeedFF!去年の予選トーナメントでMRと当たり敗北してしまったチームがリベンジのために黄泉の国から舞い戻って参りました!』

『エースのfowを含めかなりディフェンシブなチームですね』

『去年は俺らが勝ちましたが、決して弱いチームではないです』

『去年よりも状況に対応した流動的な守りに変化したと噂されていますが、実際のところはどうなのか!注目です!』


『どんどん行きますよ!4チーム目はAlterEGOAEG!昨年の7位です!』

『彼らの強みはなんと言ってもその構成ですね。独創的な構成が多く、メタというものを正面から打破していくチームコンセプトは確かな破壊力を持っています』

『ホントに面白い構成が多いですよね。2フェイカー構成なんて最高でした(笑)』

『今年はどんな構成が飛び出すのか!こうご期待!』


『折り返しを超えました5チーム目!これはmagustさんに説明してもらいましょうか!』

『なんか照れるなぁ…………こほん。えー、5チーム目は我らがMeltRainMRですね。Ghostと僕の二人が抜けたので新チームと言っても過言ではないほど去年と変わっているはずです』

『確か新加入はAster選手とMeMe選手ですね。どんなプレイヤーなんですか?』

『あー、AsterはGhostの後釜のホールダーですね。なんというか………………えーっと…マ、マイペースでリズムのずれる動きが得意ですね。そしてMeMeはもうホントいい子!!若いながらも基本に忠実なサーチャーという感じで、悪ノリしだすみんなを抑えてくれるはず………です』

『…………なんというかLex選手が悪ノリしだしてMeMe選手がアタフタする未来が見えますが期待しています!』


『6チーム目かな?……うん、6チーム目はSystematic e-SportsSSです!』

『このチームは海外でのコーチ経験があるコーチが二人もついている名前の通りシステマティックなチームですね』

『基本にとにかく忠実で、タイムアウトしたあとはまるで別チームかのように動きが変わる印象があります。やりづらかった記憶がありますね』

『昨年はMRと3戦目にもつれこむ程の激闘を繰り広げていました!そのときは5位でしたが、今年はリベンジを見せてほしい!』

『ウチ体制変わったばっかなので、お手柔らかにお願いしますね〜』


『さぁさぁ7チーム目です!7チーム目はPlatinumPLN!』

『veqq選手とPRIOD選手の二枚看板は凄まじい安定感を誇ります。彼らが守るサイトは要塞のごとし。打ち破ることができるチームは現れるでしょうか』

『普通に戦いたくないですね、えぇ。Platinumじゃなくてdiamondとかにチーム名変えたほうがいいんじゃないですかね』

『ストリーマーに転向したmagustさんらしい例えですね!面白い!』

『なんか恥ずかしくなってきた…』

『チームメンバーの変更もないため、深まった連携にも注目です』


『最後はClayWolfCW!』

『言わずとしれた人気チームですね。昨年は3位となったものの、実力だけで言うなら1位や2位のチームにも劣らない選手が揃うチームです。昨年のメタである2ホールダー構成に苦戦していたCWですが、今回は新加入でフレックスのRiv4l選手が入ったことによって構成面での弱点を克服しています』

『このRiv4lくんも見たことないので楽しみです。確かオフィスにいたときにLexがライバル視していたので、実は僕の今一番気になっている選手でもあります』

『ほぉ!それはまた面白そうな話が出てきました!当たるとすれば2回戦!注目していきたいです!』


『こんな感じでしたが如何でしたでしょうか!自分の推しチームや推し選手を見つけて観戦を楽しんでくださいね!』

『大会は今週から始まるので、タイムテーブルをチェックしておくことをおすすめします。本日はありがとうございました』

『magustさんもありがとうございました!ストリーマー頑張ってください!』

『ありがとうございましたー』




 ────────────────────

 DD(DualDarts)

 昨年1位。個人個人が最強格の選手。連携も上手い。国内の絶対王者。注目選手はTeabreak。


 DK(DarknessKnight)

 今大会のダークホース、昨年8位のFENRIRを倒したチーム。無名選手が揃っている。注目選手はReduceとbluenoの兄弟。


 FF(FeelFeed)

 エースのfow含めディフェンシブなチーム。流動的な守りに変化したという噂。


 AEG(AlterEGO)

 昨年7位。独創的な構成を使うチーム。正面からメタを破壊するコンセプトのチーム。


 MR(MeltRain)

 Lex率いる昨年2位。チームメンバーが二人代わり、チームカラーがガラッと変わったという噂。


 SS(Systematic e-Sports)

 昨年5位。海外経験のあるコーチが二人いる。システマティックなチーム。昨年はMRと激闘を繰り広げた。


 PLN(Platinum)

 昨年4位。要塞のごとき守備力を誇る。veqqとPRIODという安定感のある二枚看板に注目。


 CW(ClayWolf)

 昨年3位。実力も人気も兼ね備えたチーム。新加入のRiv4lにより戦略が広がったという噂。

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