番外編 ――ピンク――

 私は今、世界最強の殺し屋組織と言われている六色光に所属しているピンク、私はなぜ今この組織に入れているか分からない。ほかのメンバーは私よりうんと強いのに。頭も良いだが私には何の取り柄も無い。


 「もう行くわよ!」

 「わかったよお姉ちゃん!」


 私には5個下の妹がいた。そしてその子は可愛いくて私の宝物だった。そしてもう一人私には忘れてはならない大切の人物がいた。そうお母さんだ。


 お母さんは女で一つで私たち二人を養ってくれた。私は貧困層の生まれだ。俗にいうスラム街ね、そしてそんなところに住んでいるからか、お母さんの所には仕事が来ないで毎日毎日お金に困っていた。ろくにお風呂にも入れない。でも私たちには必ずご飯が毎日出されていた。


 どこからお金が出ているか当時は分からなかった。


 でも私たち二人はお母さんの笑顔を見ているといつも幸せになる、それをずっと守りたいなと願っていた。


 「お母さんいってらっしゃい!」

 「ばいばい!!」


 お母さんは毎日夜家を離れて出稼ぎに行った。その仕事の当時は分からなかったが過酷なものだった。ここでは詳しくは話さない。


 次の日帰ってくるのは珍しく大体、3日後に帰ってくる。その時もご飯がちゃんと用意されている。そんな幼少期を送った。


 事件はすぐそこまで来ていた。


 「リリーお姉ちゃん、お母さんは??」

 「ごめんね。私にも分からないの」


 お母さんが帰ってこない。


 「まだ?」

 「まだだね」


 次の日も。


 「お母さんは?」

 「ごめんね」


 「ごめんね」

 「ごめんね」

 「ごめんね」

 「ごめんね」


 私の頭の中は可愛い妹に対するごめんねの一言しかない。お母さんばかりではなく私も働いていればなぁ。と今では思う。


 「私見てくるね!」 

 「分かったよ……」


 何週間も戻ってこないお母さんを私は探した。スラム街を回りまくった。だけどいないどこにも。


 「お母さんどこなの……」


 私はその場で泣いた。そんな私にフードを被った男が話しかけてきた。そしてその男の名前はミキと言う、私の近くに住んでいた隣人だ。私はその男が情報屋だったことを思い出し。母親の行方を捜した。


 「リリーちゃん落ち着いて聞いてね」


 その日は雨だっただろうか。私は情報屋のミキから聞いた言葉で涙がでた。その場で泣いたのと同時に心の中で何かが燃えた。


 「復習を果たす……」


 もうその時には情報屋はいなかった。すぐさま地下室を探し作戦を立てる。この当時の私は今よりも頭が悪かったのであろう。


 「ここでこいつを殺す……」


 私は行動を開始した。殺した犯人は名前は覚えていないがどこかの組織の長だったか、私は夜闇の中自分で作った筋肉を急激になくす魔術をその長に撃った。


 「ぐうぇ」


 もちろん長は倒れる。しびれている。そんな姿に私の顔は笑っていた。この時から私は変わった。


 「お前を殺す」


 私はそれを言い作戦を立てていた地下室に持ち帰る。私はそいつを椅子に括り付けた。ここからが本番だ。


 「じゃあどうしようかな? 手始めに目立たない小さな穴をあけましょうか?」


 私はもうこの時は14歳だ。そんな子供が相手の体に穴をあけるなどできないと長は思ったのか強気に出てきた。


 「小さいお前ができるはずが無いだろ!」 


 こいつは何か勘違いをしているようだ。私ができない?そんなバカな話は地獄に行ってからしてくれ。


 地下室からあふれ出る叫び声は決して外に漏れることはない。ただただ男の体に無数の穴が出てきて腕も切り落とされ、奇跡的に息をしているぐらいだ。


 「お前、もう頭を切り落として殺すけど何か言うことはない? ってもう喉潰しているから何も言わないか……」

 「ぅうぅうぅう」


 私は小さな石の断片を持ちその男の首元に近づけた瞬間だった。私の手を止めた者がいた。


 「ガキそこまでにしといたらどうだ?」


 私は誰にも言っていない自分の地下室を始めて誰かに見つかった。別にへまをしたわけではないのに。でもその謎の人物は私の地下室を完璧に知っていた口調だった。


 「こりゃひどいな」

 「だれ?」

 「ガキ、これお前が全てやったのか?」

 「うん」


 この謎の男こそ私が六色光に入ることになったきっかけの人物だ。


 「そうだな。俺は六色光って組織の青のミルだ」

 「ミル……よろしく!」

 「それにしてもこりゃひどい、嬢ちゃんの名前はリリーだよな知っている」

 「あなたはどうしてここが分かったの?」


 私はその男に聞いた。


 「俺は隠密担当なもんでこんなリリーが殺したこいつを殺すために来たんだ」

 「あなたも男を殺しに?」

 「あぁ、この男は少し敵を作り過ぎたらしい。俺には知らんが……そうだリリー六色光に来てみないか? きっといい経験になるよ」


 そうして私は今の六色光に入った。この先はまた次回話すとしましょう!



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る