黒の殺し屋~最強の殺し屋が学園島に通ってしまう~

あげもち

レイの過去編

プロローグ

 世界は闇に満ちている。それは今この時だけの話ではない。行政人と言う者達がこの国やほかの国を管理していることは紛れもない事実。


 でも行政人全員が善とも限らない、偉いやつらは悪の方が多いだろう。そしてその表の判決じゃ裁けない者も悪の中にはたくさんいる。その者を誰が裁くかって。


 そう俺ら【殺し屋】だ。


 「……足音がない!」

 「なんて速さだ!」


 風を斬るかのようにターゲットに近寄る者はこの世界の殺し屋業界の中で最強の組織と言われている【六色光ろくしょくこう】と言う集団だ。


 この集団は名前の通り、表社会、裏社会共々色で認識されている。そしてその組織の最強格がクロと言う人間だった。


 その者は黒いローブを着ていて黒い手袋を身に纏っている、そして肩から手の甲にかけて銀色のチェーンが張り付けられている。そんな物騒な恰好をしていることから裏社会では【静かなる死神クロ】と呼ばれている。


 そんな男はいま任務で魔鉱石を密売している悪い集団の討伐に来ている。


 「バ!バケモノが!!!」

 「……」


 クロと言う人物は一瞬で周りの護衛を排除してしまった。組織の長らしき人物が黒に背を見せながら走って逃げている。クロは走ったらすぐ殺せるところを歩いて長らしき人物の後を追っていた。


 あるボロ倉庫にやってきてクロが中に入るとそこには先ほど現場にいた長の姿があった。クロを見た長は汗を出しながら黒に話を掛ける。


 「分かった……。お前、六色光ろくしょくこうのクロだな。お前の強さは俺達でも分かる。だから金をくれてやるそれも大金さ、女もなんでも買い放題だ!それで見逃してくれ!」


 長が投げかけた条件にクロはやけに落ち着いた声で答える。


 「俺は別に金には興味ないんだ。俺が求めるのは任務達成率100%これだけだ。生憎、女も興味はない」


 そう話した瞬間、長の表情は一変してその顔は先ほどの焦った顔ではなく笑い馬鹿にするものだった。


 「馬鹿め!俺はここで死んでいいものでもねぇーんだよ!。やれお前ら!」

 『うぃーす!!』


 その声と同時に古くて狭い倉庫の小さな部屋に置かれている壺や箱やその他いろんなとこから約10人ほど銃を持ってクロの頭に標準を向けた。


 「はぁ、くだらない」

 「何がくだらないんだ!。お前のおかれている立場が分かるのか!」

 「それがくだらないんだ。《ブートアップ》」


 クロは魔術らしきものを唱えてその瞬間、クロを囲んでいた下っ端の全員の頭に銃弾を撃ちつけ倒してしまった。それを傍で見ていた長は腰から地面に落ちた。


 「……うそだろ」

 「もう君を守る者はいない、もう死ぬだけだ。大丈夫だ、あの女じゃないから苦痛なく殺してやる」

 「こいつはやはりバケモノだ……。あんな人数を俺が瞬きをする間に打ち殺して、しかも息一つ上がってない。流石にこれは俺の負けだな……」


 そうすると古い小さな倉庫の中からバンという銃声が鳴り、そのあとにバタっと何かが倒れるようなそんな音が聞こえた。


 任務を終えたクロは、町はずれにある本部に帰還した。


 「ナンバークロ、いまただいま戻った」

 「おぉ、帰ったのかクロ」

 「どうだったか?」

 「聞きたい!聞きたい!。今回の任務の感想聞きたい!」


 クロの帰りを待っていたのは同じ仲間だった。クロは少しあきれた顔で感想を皆の前で述べた。


 「簡単だった」

 「でしょうね……」

 「リヒーさんも今頃クロの成長を見ているところだよ」

 「師匠……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る