父親への想い

人形のキャラメルさまは、七歳の(はじめ)を追っていた。


ここは北部デパート、はじめは「誰も巻き込んではいけない。僕の大好きなお父さん、天国から見ていて。僕が人形のキャラメルさま、とかいうバケモノを倒す!!」


はじめはエスカレーターで、9階の屋上に上がった。


そこは、昼間の11時なのに人がまばらだ。


どこからともなく不気味な声がする。


「あまーくて、あまーくて、おいしいキャラメル、」


「わぁぁー!!」


人形のキャラメルさまは続ける、「それは君の血だよ〜」


「僕は負けない!!」はじめはリュックからはさみを取り出して、両手で構えた。




人形のキャラメルさまのナイフが、はじめの首を捉えたか···のように見えた。


その時、はじめの持つはさみが、黒装束をかすめた。


「そんなものは、効かないよ〜」人形はそういうとナイフを、はじめの頸動脈に切り込もうとした。


人形は「体を、体をなにか呪いが通ってくる!! きさま何をした!?」と言った。


はじめは、汗をかきながら安堵の顔を浮かべた。


「このはさみは、耳人形さんに(呪い)をかけてもらったんだ!! 耳人形さんには勝てなかったようだな!! 悪魔め!」

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