375 本部

 セレンが突然帝都にやってきてから十日弱が経過した。


 結局、フランツさん達はセレンの帝都観光を国家主導のものという事にしたらしい。


 改めて国側から発表されたユグドラの皇族――セレン・ユグドラ・フレステルの来訪は帝都の者達に熱狂を以て受け入れられた。もともと精霊人は容姿が優れているし、ユグドラにはネームバリューもある。呪いだの暗殺未遂だので最近帝都には暗めの話題しかなかったのもその熱狂を後押ししたのかもしれない。


 セレンは連日連夜あちこちに引っ張り回されているようだった。夜は騎士団の護衛付きで貴族の邸宅をたらい回しにされているらしい。僕ならばとても耐えられないが、セレンは本当にガッツがある。


 既に事は僕の手を離れていた。何かあったら連絡するようには言ったのだが特に話は来ていないのでうまくいっているのだろう。


 昼間は人間界の常識を知らないであろうセレンのために、エヴァに付いてもらっていた。

星の聖雷スターライト》かエリザがいればそっちに頼んでいたのだが……どちらもまだユグドラだからな。


 …………もしかしたら《星の聖雷》はユグドラを拠点にする事を選ぶかもしれないなあ。エリザも、だ。

 彼女は捜し物のために世界中を回っていたのだから、それが見つかった今ハンターを続ける理由はないだろう。エリザが引退すると言い出したら僕もついでに引退できるかもしれないな。


 セレンのサポートをしながらも、エヴァの夜の日課は変わらない。

 日も暮れた頃にクランマスター室にやってきたエヴァに確認する。


「セレンの調子はどう? 問題とか何か発生してる?」


「そうですね……色々懸念はあったのですが、大きな問題は発生していません。セレン皇女が人族を毛嫌いしていないというのもありますが、帝国側も随分、気を遣っています」


 いつもと何も変わらない表情でエヴァが教えてくれる。昼はセレンの付き添い、夜はクランの運営と、寝る間もないくらい働いているはずなのに全く疲労が見えない。

 どうやら聞いた話では、部下をうまいこと使ってやっているらしかった。自分の能力も高いのに部下の育成まで出来るなんて、本当にどうしてエヴァが外部から引き抜けるような場所にいたのかわからない。


 そこで、エヴァがふと、思案げな表情を作る。


「ただ……一つだけ、懸念点というか、気になる点があるのですが…………どうやら、ユグドラにはお金を支払って物の売買をするという文化がないようなのです」


「へー、そういえば観光の時もセレン、財布を出す素振りがなかったなあ」


 代わりに宝石を出そうとしていたけど……もしかして物々交換なのかな。


「存在自体は知っているみたいですが、人族の国と円滑な交流をできるようになるまでは少し注意が必要かもしれません。騙されるかもしれませんし」


「まあ、うまいことやってよ。騙されるのは……どちらかというと騙す側が心配だよね。ユグドラの戦士達って神殿型宝物殿に突撃する程、戦意高いからさ。セレン本人の戦闘能力もかなりのものだし、上位の精霊もついてるし――」


「!? ………………わ、わかりました。注意しておきます」


 セレンの来訪が発表されてからの帝都の賑わいは凄いものだった。街中セレンの話題で持ちきりである。もう十日近く経っているのに、まだクランハウスの前も見張られているらしい。

 きっと、シトリー達や《星の聖雷》が戻ってきたらこの状況に驚くことだろう。セレンがこっちにいる間は戻ってこられないかもしれないけど……。


 本当に、みみっくんだけでも連れて帰るべきだった。宝具がなければ退屈で何か余計な事をしてしまいそうだ。

 そんな事を考えていると、エヴァがふと思い出したように言った。


「そういえば話は変わりますが、朗報があります。ガーク支部長からクランレベル向上の通達が来ました」


「おお?」


 トレジャーハンターやそのパーティにレベルが存在するように、クランにもクランレベルという物が存在する。


 何分、クランというのは複数のハンターが入り乱れるものだし入退団の基準も個々のクランに委ねられているため、前者二つ程重要視される数字ではないのだが、朗報には違いない。


 自分のレベルが上がるのは勘弁して欲しいが、クランのレベルが上がるというのはクランメンバー達の活躍が認められた証。素直に喜ばしい事だ。


「これで《始まりの足跡》はクランレベル7です。老舗クランでも一流どころにしか与えられていませんよ。ゼブルディアだと税金面での優遇もあります。クランを設立してから五年も経たずにレベル7になるというのは異例中の異例です。高レベルハンター一人が所属していればなんとかなるという問題ではありませんし」


「それは嬉しいな。エヴァのおかげだ」


「恐縮です。所属している皆の――そしてクライさんの力あっての結果です」


 クランにかかる税金の存在すらよく理解していない僕の言葉に、エヴァが真面目な顔で面白いジョークを言う。お世辞はもっとお世辞とわからないように言わないと……真実味がなさ過ぎるよ。

 半端な笑みを浮かべる僕に、エヴァが続ける。


「それで…………その関係で、探索者協会の本部に誘われているのですが、同行出来ますか?」


 予想外のお誘いに、僕は目を見開いた。

 探索者協会の……本部……?


「本部か……行ったことないなあ」


「本来なら、帝都からでは馬車を使っても数週間かかりますが――今回はガークさんが本部に向かうついでに、探協が保有している転移魔法陣を利用させてもらえるらしいです。あれは相当な理由がなければ使用させて貰えないので、今回はまたとない好機ですよ」


 クランレベルが6になった時には手続き含めて全てエヴァがやってくれたのだが、7ともなるとわけが違うらしい。

 誘われているという事は強制ではないのだろうが――転移魔法陣、か。


 探協がそんなもの持っているなんて初耳だが、魔法陣を刻んだ特定の二点間の転移を可能とする転移魔法陣は、起動するだけで熟達した魔導師が複数人必要とされる、かなり希少且つコストがかかる代物である。

 ガークさんが本部に向かうついでという事だが、そんなものを使わせてもらえるなんて、期待されているという事だろうか。


 僕一人だったら断ってしまうのだが、どうやらエヴァは行くつもりのようだ。

 今の僕は磨く宝具すらない暇人だ。護衛役がいないのが懸念だが、今回は転移魔法陣で直接向かうわけだし、さすがに危険な目に遭う可能性は低いだろう(フラグ)。


「セレンさんも一緒に行く予定です。向こうで話し合いがあるそうで――」


「…………護衛も大丈夫、か」


「? 何の話ですか?」


 エヴァが不思議そうな表情を作っている。まさかレベル8の僕が、本部に行くだけなのに身の危険を心配しているとは思わないだろう。


「いや、こっちの話。ちょうどいいタイミングだし、同行するよ」


「!! 本当ですか!? …………いえ、すいません。普段なかなかクライさん、こういうイベントに同行しないので――」


 目を見開くエヴァ。自分から誘っておいて行くと言ったら驚かれるとか……もしかして僕、仕事サボりすぎ?


 …………このままじゃいけないな。たまにはエヴァにもいいところを見せないと、いつか見捨てられてしまうかも知れない。


「まぁ、たまには僕も身体を動かさないとね…………最近、サボってばかりだったし……」


「!? サボってばかり!? …………そ、そうですか……そうですか……」


 頬を引きつらせるエヴァを見て、僕は拳を握りしめ、気合を入れ直した。





§





 一夜明け、身支度を整え、エヴァとセレンと共に用意された馬車で探索者協会に向かう。

 どうやら転移魔法陣は探索者協会の帝都支部の地下に設置されているらしい。


 数日ぶりに顔をあわせるセレンは、どこで手に入れたのか、サングラスをかけ、大きな帽子を被っていた。

 楽しそうだね、君……僕の視線に気づいたのか、セレンが空を見上げて言う。


「そのままの格好だと目立って人が集まってしまうので…………人気者は辛いですね」


「うんうん、そうだね……」


 そんな格好をしている人、帝都にもなかなかいないし、そもそもサングラスと帽子程度でセレンの見た目はごまかせないのだが………精霊人の感覚がよくわからない。

 恐らく、探索者協会までそこまで遠くないのにエヴァが馬車を手配したのは、少しでも人目を避けるためなのだろう。


 エヴァはトランクケースを一つ持っているくらいで、いつも通りの制服姿だった。僕も普段と変わらない軽装だ。一応、結界指は装備しているが、宝具を全部保管していたみみっくんがまだユグドラなので選択の余地すらない。

 そして、本来ならば何週間もかかりようやく到着できる探索者協会本部にこれっぽっちの荷物で行けるのだから、転移魔法の凄まじい利便性がわかる。


「転移魔法陣は一度に運べる人数が決まっているらしくて……ガーク支部長から二人分の枠を頂いたのです。誰を連れて行くか迷っていたのですが、クライさんが一緒についてきてくれてほっとしています」


「聞きましたよ。複数人で発動する事で負担を分散、複雑な術式を事前に書き込むことでカット。本来ならば転移魔法はニンゲンの手に余る術式のはずですが、まさかそのような工夫で問題を解決するとは、ニンゲンもなかなかやりますね。知れば知るほど自分の視野がいかに狭かったのか思い知ります。これは、油断すれば抜かれてしまいますね」


 一人で転移魔法を使える人がなんか言ってるよ…………まぁ、いい。セレンが人を評価する分にはメリットにしかならないはずだ。


 馬車は探索者協会の裏手に回った。ハンターはだいたいがお祭り好きだ、セレンが現れたら大騒ぎになるのでその配慮だろう。

 本当に人気者はつらいね……っていうか、普通は皇女は外をこんなに自由に歩いたりしないから!


 裏口から建物に入る。中ではガークさんとカイナさん、ズルタンさんが待っていた。

 ズルタンさんは何故か全身傷だらけだった。僕を見ると、その眉がピクリと動く。ガークさんの表情があからさまに顰められる。



「クライ、なんでここに来た。レベル9審査申請はしてないぞ」


「…………え?」



 何の話だろうか。レベル9を狙えるという話は聞いていたが、申請云々の話は初耳だ。

 目を瞬かせじっとガークさんを見るが、特に何も反応をくれなかったので、僕は結局いつも通りハードボイルドな笑みを浮かべごまかすことにした。



「知ってるよ。僕が来たのは別件だよ。クランレベルアップのお祝いに本部に招待してくれるって言ったじゃん?」


「……ああ、そっち、か。だがな、クライ……お前はこれまでクラン関係はエヴァに任せっきりだっただろう? 俺はてっきり、エヴァと他の誰かが来ると思っていたんだが…………」


 どうやらガークさんもエヴァ同様、まさか僕が参加するとは思っていなかったらしい。来なかったら文句言われるのに来たら来たで驚かれる僕って一体…………。


「クランの方はエヴァに任せるさ。ただまぁ、こんな機会でもないと本部に行くことなんてないし、一度探索者協会の総本山がどんなところか見てみたいと思ってね。物見遊山みたいなものだよ」


 後、なんというか、今暇だからね。


 僕の言葉に、ズルタンさんがぴくりと反応する。


「物見遊山…………? …………いや、言葉通りに受けるのはやめておこう。我輩もさすがにもうこれ以上怪我をしたくないからな」


「…………ズルタンさん、なんで怪我してるの?」


 何かあったのだろうか? ズルタンさんがジロリとこちらを見てくる。だが、それ以上何も言う事はなかった。

 僕から隣に立つガークさんに視線を移動させると、憮然としているガークさんと苦笑いのカイナさんに言う。


「ガーク支部長、本部に移動しよう。審査申請をあげなくてもガーク支部長は今回の審査員の一人なのである。遅刻は許されない」


「……そうだな。本部がどんな課題を持ってきたのかも気になるしな」



 転移魔法陣は地下の一室に描かれていた。


 壁、天井に奇妙な模様の描かれた部屋で、キラキラ輝く砂のようなもので描かれた魔法陣を、十人の魔導師が取り囲んでいる。

 転移魔法陣を自分の目で見るのは初めてだった。もしもルシアが帝都にいたら、さぞ見たがっていただろう。セレンが目を細めて言う。



「なるほど……十人がかりで起動するのですね」


 ズルタンさんがその言葉に、ヒゲを撫でつけながら答えた。


「いや。本部側の魔法陣も時間を合わせて起動しなければならないから、二十人です。セレン皇女。壁や天井に刻んだ術式は負担を軽減させるためのもの、それでも探協の職員では発動できないので、魔法陣を使用する際は腕利きで信頼のおける魔導師のハンターに依頼しているのです。故に、そう簡単に使えません。今回、我輩に使用許可が出たのも探索者協会が今回の件を重要視している証なのです」


「…………ニンゲンは大変なのですね」


 これは、転移魔法陣の話を滅多に聞かないわけである。セレンの転移魔法は単身且つ自由な場所に移動できるが、転移させる人数によって負担が大きく増えるらしいので、一長一短なのかもしれない。


 皆で転移魔法陣の上に立つと、周りの魔導師達が力を注ぎ込み始める。

 魔法陣が強い光を放ち、僕達は探索者協会の本部に転移した。


 魔法陣の発光が消える。転移魔法陣のある部屋は転移前とほとんど変わらなかった。だが、魔法陣を起動する魔導師の顔ぶれと空気の匂いが少しだけ変わっている。


 ズルタンさんがふらつきながら魔法陣から出て、愚痴るように言った。


「相変わらず、一瞬に風景が変わるのは少し気持ち悪いな。まぁ、何週間も馬車で揺られるよりはマシだが」


「転移魔法は感覚が鋭い程違和感が強いらしいからな。仕方ない」


 ガークさんも眉を顰め、一度大きく深呼吸をしてそれに答える。感覚が鋭いのがデメリットに働くこともあるんだね。

 エヴァとカイナさんが割りと平気そうなのもそのためか。


 周囲を観察していたセレンが僕に視線を向けて言う。


「それは慣れです。転移酔いは何度も繰り返せば慣れます。《千変万化》も平然としているでしょう」


 いちいち僕を話に出すのはやめてください。僕は注目されたくないのだ。注目だけならば問題ないが、注目には大抵面倒がついてくる。


「…………慣れとかじゃなくて、僕はただ平然としているだけだよ」


「…………セレン皇女、《千変万化》と我輩達を一緒にしないで頂きたい。そこの男はレベル8ですぞ?」


 僕をただのレベル8だと思ってもらっては困るなあ……もしかしたら僕の感覚はエヴァよりも鈍い可能性すらあるのに。

 まぁ、口は災いの元とも言う。余計な事を言うつもりはない。今回本部にきたのもただの暇つぶし、ただのエヴァの付き添いなのだ。


 ズルタンさんの案内で部屋を出る。どうやら本部でも転移魔法陣の部屋は地下に存在しているようだ。


 階段を上り、扉を開ける。そして、僕は初めて見る探索者協会本部に思わず目を見開いた。



 探索者協会本部の建物は僕のイメージと比べてずっと洗練されていた。

 磨かれた大理石の床に、柱。廊下は今ここにいる全員が横に広がって歩いても通れる程広く、遥か上、天井に広く取られた窓から陽光が差し込んでいる。


 探索者協会帝都支部は血塗れのハンターが頻繁に出入りする事もあり、常に異臭が漂い埃っぽく喧騒に満ちていたが、ここはちょっと質素な城のようだ。


 広大なホールには何人かハンターらしき者の姿があったが、その数は帝都支部とは比べるべくもなく少ないし、魔物の死骸を引きずっている者や汚れている者もいない。

 空気も淀んだところはなく綺麗ではあったがハンターのイメージとはそぐわない。もしもハンターになった際に最初に訪れたのがここだったら、唖然としていただろう。


「へー、思ったより綺麗だね」


「……ここはあくまで本部、各支部を統括するための場所であって、素材の売買やハンターに対する依頼の斡旋などの一般業務は行っていないからな。一般のハンターの立ち入りが禁止されているわけではないが、余り来る者はいないな」


 ズルタンさんが説明を入れてくれる。どちらかというとハンターというよりは、客向けの施設なのかもしれない。

 美しさで言うなら本部の方が上だが、活気は支部の方が上だ。なんか余り面白いものはなさそうだな……。


 一方で、セレンは目をキラキラさせていた。ユグドラでも一応石材くらいは使われているが、この巨大で荘厳な屋内の光景は森の中でずっと過ごしていたセレンにとっては新鮮に映るだろう。


 ズルタンさんが、静かに興奮しているセレンに、言いづらそうに言う。


「それで…………本部の上の者が一度セレン皇女に挨拶したいと言っているのですが、お手数ですがご同行いただけますか? 支部設立についての話し合いが終わったら、是非本部を見学していってください。案内の者をつけましょう。ここには各国からの来客用に宿泊施設もあります」


「そうですね…………先に仕事をしないといけませんね」


 真面目だなあ。そういわれてみると、今回仕事関係なしに来たのは僕だけか。

 カイナさんがエヴァに話しかける。地味に珍しい組み合わせだ。


「エヴァさん、クランレベルアップの手続きは向こうです。レベル7クランの特典や規則についての説明もあるので、少し時間がかかるかもしれません」


「わかりました。よろしくお願いします」


「支部長、高レベル審査会までは少し時間があるので、エヴァさんは私が案内します。スケジュールは昨日、ご連絡した通りです。時間の十分前に待ち合わせしましょう」


「わかった、任せたぞ。今回は忙しないな…………クライ、お前はどうする? エヴァの方に行くか?」


 んー、どうしようかな。クランレベルアップの手続きについていってもいいが、これまでクラン運営の大半をエヴァに任せてきた僕がいたところで邪魔なだけだろう。

 エヴァの方をチラリと確認すると、エヴァはため息をついて言った。


「こちらは私だけでも大丈夫です。話を聞くだけですから」


「元々は実務的には本部に足を運んで頂かなくても可能な処理ですからね」


 セレンがいなくなると僕の護衛がいなくなってしまうが、ここは本部だし、警備の兵もあちこちに立っているようだ。大きな問題はあるまい。


「じゃあせっかくだし、ちょっとこの辺りをぶらぶらしてみようかな。面白いものがあるかもしれないし」


「……貴重な資料が所蔵された図書館や、これまでのハンターの歴史などを展示した博物館などもあるのである。利用にはレベル制限があるものもあるが――レベル8ならばほとんどの設備は使用できるはずだ」


 ズルタンさんが教えてくれる。一度はあんなに怒らせたのに、この人、もしかしたらけっこう親切なのかもしれない。


「なるほど、図書館や博物館か……色々あるんだね」


 皆が仕事をしている時に遊び回るのも気が進まない。

 たまには勉強して一つくらい有用な知識を取り入れた方がいいかもしれない。


「後は……ああ、そうだ。余り興味ないかもしれないが、カフェテリアもあったはずだ。我輩は頼んだことはないが、やたらでかいパフェを出すらしい」




 よし、カフェテリアに行こう。探索者協会の本気を見せてもらおうじゃないか。



 唇を舐める僕に、ガークさんが眉を顰めて念押しするように言った。



「クライ、一応わかっていると思うが、面倒事は起こすなよ。余り目立つことはするな、そこまで多くはないが、ここにはハンターもいるんだからな」

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