第11話 魔物の災禍

 一般的な魔物と訓練された人間、どちらの方が強いのかという問題には明確な答えがある。

 それは当然人間の方が強い、である。この結論に異議を唱える者はほぼいない。そもそも、そうでなければ人類の生存圏はもっと縮まっていたはずだ。それどころか大陸のほとんどに人が住み、村から町へ、町から都市へ、そして都市から国へと発展している。

 一般的な魔物に対して優位を保てるからこそ、人間という種族は土地を奪い合えるほど占有することができるのだ。


 ここで注意したいのが、何度も記しているとおり、あくまでもそれは一般的な魔物に限る話であるということだ。

 一般的ではない魔物と比べた場合は力関係が容易に覆る。人は竜には勝てないのだ。


 ただ、それら超越種と呼ばれる種族は稀も稀であり、人がそれらに遭遇することはほぼない。もちろん、命知らずが己の意志で彼らの領域に踏み込めば、話は別だが。

 ここで重要なのは、超越種という異例中に異例を除いた場合に、人が勝てない魔物たちの存在だ。


 1つは、現在シンデレラたちが討伐に向かっているゴブリンキングをはじめとして、上位種と呼ばれる魔物たち。きわめて強力で、通常の魔物とは一線を画す強さである。ただこれは、基本体には勝てないという話であり、軍隊規模で討伐に向かえば殺せないこともない。そこには甚大な被害が出るため、勝ちと呼べるのか怪しくはあるが。


 そしてもう1つが、現在討伐隊に面々が襲撃を受けている相手。つまり、『魔物の災禍スタンピード』によって統率され強化されたである。


「ぜ、全員! 落ち着いて対処しろ! 相手はゴブリンやレッドウルフだぞ! まずは陣形を立てなおす!」


 魔物たちの急襲。坂の上からまるで雪崩のように魔物が押し寄せていた。

 討伐隊は慣れない山岳戦ということもあり、浮足立ってしまっている。陣形はファーストアタックをなんとか退け際に崩れ、それを立てなおそうとしていた。

 騎士団の、ひいては人間の強みとは訓練によって統率された組織力にあり、数の利点を最大限に活かすことだ。だから、第2王子とそれに従うような形になってしまっている騎士団長の判断は、間違ってはいないし正攻法と言えた。


 しかし、今はそれが裏目に出ている形だった。すでに、魔物たちは討伐隊を包囲しつつあったからだ。


「思っていたよりもまずいかもしれないですね」


 シンデレラは少し離れたところで自身の身を守りながら討伐隊を観察していた。当然シンデレラにもゴブリンたちは襲いかかっているが、そのどれもが「グギャッ⁉」という汚い悲鳴を残し一瞬で灰となり塵になっていく。

 そのため魔物のひしめくこの戦場で、シンデレラの半径3メートルの範囲内に、ぽっかりと不思議な空白が生まれていた。


 だからこそ、シンデレラは悠々と討伐隊を、というか第2王子クリストフのことを鑑賞することができていた。国王からの依頼『お灸を据えると守る』の両方を満たす、ちょうどいいタイミングを窺っているのだ。

 

「この、どうなっているんだこいつらは⁉」


 馬から降りたクリストフが必死の形相で叫ぶ。肝心の陣形が立て直せないのだ。

 その原因は2つ。1つは騎士団と近衛兵団というまったく別の組織が合わさったため。根本的な部分での戦術は共通しているが、それを実践するだけの練度が足りていなかったのだ。せめて、別々で戦えていれば話は違ったかもしれないが、現状は一か所に追い詰められてしまっていた。

 

 そしてもう1つ。『魔物の災禍スタンピード』の主によって統率され強化されたは、人間の専売特許であったはずの戦術戦略を使うからであった。

 特に今回はゴブリンキングという、上位種の中では単体性能に劣りつつも、統率力・指揮能力は段違いに高い主が君臨する、『魔物の災禍』のなかでも厄介な相手だった。

 

 そもそも、普通の人間が魔物に勝てるのは知能に差があり1対複数という有利な状況が作れるからであり、その前提が崩れた今、魔物の群れに劣勢を強いられるのは必然なのだ。

 数・質・戦術と負けているからこその戦況。『魔物の災禍』の真の怖ろしさが露わになっていた。


 クリストフは自身も剣を振るい、ゴブリンたちを切り捨ててはいたが、終わりの見えない戦いに焦りが見え始めていた。騎士団も近衛兵団も、傷が顕著になり始めたいる。


 「あ」と声を漏らしたシンデレラの視線の先で、魔力が膨れ上がった。一団の中で余裕の表情を浮かべていたソフィアであった。

 ソフィアは腕を前で組みながらクリストフの前に立ち、その身長差に恐れることなく眼瞼を鋭くした。


「あら、随分と苦戦しているみたいね、王子サマ」

「貴様ッ、こんな時になんだ!」

「なに、あれだけ威勢のいいことを言っていたわりに、情けないことになっているが面白くてね。声をかけちゃった」

「貴様も戦わんか!」

「シンディ——【灰燼】に『かってなことをするな』って言ってたじゃない。だからかったなことをしていないだけ、なんだけど?」


 ソフィアが挑発的な笑みで煽る。クリストフは首まで赤くしたが、残念なことにソフィアに切りかかるほどの余裕がなく、奥歯をギリッと噛み締めた。もっとも、切りかかったところで、という話ではあるが。

 ソフィアは溜めていた鬱憤を晴らすように、クリストフを煽り続ける。


「それともなに。まさか、助けてほしいわけ? こんな小娘に?」

「ぐっ⁉」


  ソフィアはクリストフの発言を、箱の隅をつつくようにしてなぞり返す。ザラザラとした言葉がクリストフの神経を逆撫でした。

 その間にも、魔物はじりじりと討伐隊の崩れかけている陣形を縮めていく。

 ゴブリンに振りかざすこん棒で盾はボコボコに凹み、レッドウルフの鋭い爪で鎧は削れた。騎士団員や近衛兵団員の自分たちを奮い立たせるような怒号も、だんだんと萎れていく。

 反比例するように、ゴブリンの耳に障る金切り声と、レッドウルフの狩りを楽しんでいるような喉の音は大きくなり、津波のように押し寄せる。


 さすがに、と思ったのはシンデレラだけではなかった。ソフィアがため息を吐きながら言う。

 

「はあ……。まあ、でも、どうしてもって言うのなら助けてあげてもいいけど?」

「なんだと⁉」


 ソフィアの物言いにクリストフが逆上した。


「俺に、お前に頼めと言っているのか⁉」

「その前に謝れって言ってるの。それからでしょ」

「——ッ!!」


 憤死してしまいそうなほど顔をもはや赤黒くさせたクリストフだったが、しかし、自身の耳に入る配下たちの呻き声が、理性と怒りを寸前のところで釣り合わせていた。プライドと信念が、クリストフの喉で関所となって出すべき言葉がつっかえる。


 逡巡するクリストフだったが、ソフィアはそろそろ限界だな、と考えていた。

 馬鹿王子クリストフのせいでこんな事態になっているが、騎士団と近衛兵団が本来全うするべき任務は、シンデレラたちが討ち漏らした魔物の残党狩りだ。その状態になれば魔物側の指揮系統は滅茶苦茶かつ数も相当少ないので、通常のような対魔物戦が可能になる。

 不利な戦いを強いられているだけであり、騎士団と近衛兵団は精鋭中の精鋭だ。だからこそ山に上がってきたたったの約30人だけで、今もなお耐えることができているのだ。

 状況さえ整えば、彼らは決して弱くなどはなかった。


 ただ、国王がシンデレラに依頼したことが原因でこうなってしまっているだけで。

 シンデレラたちも、さすがに馬鹿王子の馬鹿な行動のために騎士団と近衛兵団の命が失われていいとは思っていないので、介入はするつもりだ。ソフィアとシンデレラからすれば、この事態を切り抜けるのは容易いことなのだ。

 それでも、このあたりが限界なのでクリストフがソフィアの煽りで折れてくれることを祈っていた。


 そして、その祈りが届いたのか、クリストフが唇を嚙み切りながら口を開いた。


「わかったッ。——数々の無礼を申し訳なかった。だから助けて欲しい。頼む」

「そう? で、あたしはなに? あたしは幼女に見えるの?」


 一番大事なことだった。ソフィアの圧も心なしか2割増しだ。


「幼女、じゃ、ない。淑女に対して失礼だった。訂正する」


 騎士団と近衛兵団に囲まれて、一応は安全となっている中心で、クリストフは頭を下げた。


「そう。……ま、勘弁してあげるわ」


 ソフィアがフン、と顔を背けると魔力を膨らませる。


「シンディ!」


 ソフィアの励声が戦場を突き抜け、後方で待機していたシンデレラまで届く。

 シンデレラはようやくか、と『灰渡り』で一瞬にしてソフィアとクリストフの下に降り立った。

 目を見開き驚いているクリストフをおいて、シンデレラがソフィアになれたようすで声をかける。


「ソフィーちゃん、周囲の魔物をお願い。あと、そのまま皆さんを守る防壁も」

「まだまだいるのね?」

「ちょっと、あの奥にもね。もったいないけどまとめてやってしまうわ」

「わかった」


 シンデレラのオーダーにソフィアが頷き、王子に指示した。


「クリストフ、聞いてたでしょ。兵を少し下がらせて」

「呼び捨——まあいい。わかった」


 一度折れてしまいどうでもよくなったのか、ソフィアの呼び捨てをスルーしたクリストフは、素直に兵を下がらせて。円形の陣形が、より密集した形だ。

 それを確認したソフィアは、後退した騎士団と近衛兵団に詰めようとするゴブリンたちに向けて、冷酷に魔法を放つ。


「『氷波』」


 ソフィアの鶯舌で唱えられた魔法の名が、鈴の音が広がるように戦場に伝播した。

 絶対なる静寂と、時さえ凍らせてしまいそうな冷気が漂う。

 騎士団の1人がふと地面を見て気がついた。彼らのいる場所かた半歩外の地面に氷が広がっていることに。そしてそれは浸食するように拡大していき、氷の領域に呑まれた魔物たちが、地獄に引き込まれるみたく、断末魔すら許されず氷漬けになっていった。

 

「グギャ⁉」


 凍っていく仲間に気がついたその外側の魔物が異変を察知し、本能的な恐怖が勝ったらしく、統率を乱して逃走を図る。

 しかし、この地に降り立った氷の化身はそれを許さなかった。

 ソフィアは魔力をさらに込めて、魔物が逃げる速さ以上の速度で死の領域を広げる。

 そして、討伐隊の周囲には、魔物たちの氷像が数えきれないほどできあがった。


「この子すごいぞ……!」「凄いっ」「女神だ——!」


 討伐隊の騎士たちは危機を救ってくれたソフィアに対して歓声を上げる一方で、


「これが、魔法——ッ」「サムイ……」


 ソフィアの『氷結』魔法に対しての恐怖を覚える者もいた。

 わずか半歩先に広がる死をもたらす氷の世界。叫ぼうとしてそのまま凍ってしまったゴブリンの、苦痛さえ感じる暇がなかったのだろう表情の氷像は、彼らが感じる冷気が黄泉の国から呼び起こされたものなのではないかと感じさせた。

 クリストフは口をあんぐりと開け驚愕してはいたが、目には怒りがわずかに残っていた。しかし恐怖がないわけではなく、顔は真っ青になっている。感情の処理が追いついていないようだった。


 ソフィアは横目でクリストフが間抜けな表情をしていることに精々とし、『氷壁』を用いて討伐隊を囲んだ。ガラスのような透明感を持った氷でできたかまくらのなかで、ソフィアの自慢げな声が響く。 


「驚いているようだけど、あたしはただの魔法使いだからね。【灰燼】はもっとすごいわよ。……悔しいけど」

「き、貴様より? この光景を生み出した貴様よりもか⁉」


 たまったものではないと、クリストフがソフィアに詰め寄った。

 ソフィアは見向きもせず、当たりまえでしょ、と答える。


「それだけ、二つ名を戴く魔法使いは、普通の魔法使いと格が違うのよ」

「格が、違う?」

「見てなさい。これから【灰燼】が魔法を使うから。二度と、馬鹿なことは口にできなくなるでしょうね」

「……」


 ソフィアの言葉に言い返す気力もなく、クリストフは氷壁の外に立っているシンデレラの背中に目をやった。クリストフだけではない、騎士団と近衛兵団も固唾をのんで見つめる。


「さて、ソフィーちゃんのおかげでやりやすくなりました」


 『氷波』の範囲外に逃れた魔物と、さらにその奥から援軍にやって来た魔物。その大群を前にしてシンデレラは緊張した様子もなく、冷たい風にローブをなびかせながら佇んでいた。


 半球状の氷を作りだしたソフィアと、それに守られれいる討伐隊を、肩越しにちらりと見て確認する。

 これから使い広域に作用する魔法は、ソフィアたちも傷つけてしまう可能性があったのだ。

 ソフィアにお願いしてよかったと、頼もしい姉弟子に感謝するシンデレラは、詠唱する。


「尽きた先。灰の世界。現世を竟となすべく、すべてを塗りつぶせ」


 シンデレラの魔力操作技術は稀代の魔法使いであるグリセルダから、天才と称されるほど卓越したものだ。3年を経てそれはさらに研ぎ澄まされ、ほとんどの魔法を詠唱も魔法陣も起動句もなしに、突発的に魔法を使うことができるようになった。


 詠唱や魔法陣、それから起動句にはそれぞれに違いはあれど、どれも魔法の発動を安定させ、効力を高めるという効果がある。

 だから普通の魔法使いも小さな魔法であれば詠唱などをなしに使うことはできるし、慣れればその幅は広がる。

 しかしそれができるのはごく一部の魔法使いであり、ほとんどの魔法使いは最低でも起動句——魔法の名前を口に出すことになる。ソフィアが『氷波』や『氷壁』と呟いていたが普通なのだ。

 

 シンデレラが全文ではなく定型の一文目だけでも詠唱をするというのは、これから行使する魔法がそれだけ強大であるということだ。しかも、詠唱事態によって威力は上昇している。

 

「『灰白世界』」


 練り上がった魔力が指向性を持って爆発したことを、ソフィアだけが感知した。

 一秒後に、灰が具現化したことでクリストフたちも魔法が発動したのだと認知した。


 しかし、理解は及んでいなかった。


「なんなのだ……これは。おい魔法使い、これはなんのだ⁉」

「ソフィアよ。これって、見ればわかるじゃない。シンディの魔法よ」

「これが魔法だと。1人の人間が持てる力なのか——?」


 ソフィアが『氷壁』を解きぼやけていた視界が鮮明になる。クリストフが目にしたのは一面に広がる白銀の世界だった。

 まるで季節外れの豪雪が降ったかのように、一つの山が白く染め上げられていたのだ。

 当然それは雪ではない。限りなく白に灰が、雪化粧ならぬ灰化粧を施しているだけであった。

 

 一見すると美しい神秘の光景だ。しかし、美しいものというのは得てして危険を孕んでいるものである。はじめは見惚れていた討伐隊の面々も、次第に顔を青ざめ膝を震わせた。


 灰が染め上げたのは山だけではない。そこにいた無数の魔物たち——おそらくは一軍団として数えられていたまとまり——を、残らず全て灰に沈めたのだ。

 ソフィアの魔法が氷像を作ったように、シンデレラのそれも灰に固められた像を作り上げていた。


 クリストフはその光景を見てあることを思い出した。王族に施される歴史教育のなかで、クリストフがひと際恐ろしいと感じた一幕だ。

 それはアッシュベリー大陸とは別の大陸で古代に栄えた都市国家の終焉の話。

 現代に劣らない技術力を有し、周辺の都市国家を次々と支配したポルネイという都市国家があった。無敵と言われた軍隊と、豊富な資源で千年国家になるとまで言われた、まさに時代の覇者。


 そこまで言われたポルネイも滅びたわけだが——その終焉はたったの一夜だった。


 ポルネイはその大陸で最大規模の火山の近くにあり、その火山がある夜に大噴火を起こしたのだ。前触れはなかった。子どもが寝静まり、若い男女が愛を育み、老夫婦が星空の眺める。ポルネイの日常の最中だった。


 噴火の爆発音と家屋を揺らす振動で、ポルネイの民は皆外に出て火山を見上げた。目の当たりにしたのは焼き尽くされそうなほど赤い夜空と、そこに引かれた軌跡だった。

 初めてのできごとに呆然としてしまった民たちは、数分後に起きた地響きに戸惑い、そして地平を迫り来る巨大な影に気がついた。当時はそのような呼び名はなく「地波」と呼ばれることになったが、火砕流だった。


 ポルネイの人々は逃げようとした。しかし馬よりもはるかに早く迫る火砕流から逃れることなどできない。

 ポルネイは一夜で滅びたのだった。


 そのことを周辺国が伝承として伝え、海を越えてアッシュベリー王国の王族教育で紹介されたわけだ。

 その言い伝えどおりの光景に、クリストフは「ポルネイの悪夢」だと恐怖したわけだ。一国を一夜にして滅ぼした自然現象を再現したのだと。

 

 クリストフのその感想は的を射ていた。シンデレラは『灰白世界』という魔法を生み出すにあたって参考にしたのが「ポルネイの悪夢」だからだ。

 もっとも、結果こそ同じだが「ポルネイの悪夢」と『灰白世界』は過程が違う。というか、『灰白世界』は灰によってすべてが固められ死に至るという結果だけを再現しているだけなのだ。


 一掃し終えたことを確認したシンデレラは、魔法を解き灰と魔物を消し去った。

 立て続けに起こった景色の変化に、クリストフは白昼夢を見ていたのではないかと自身を疑った。

 かつこつと足音を鳴らしながら討伐隊の元に戻ったシンデレラは、なにごともなかったようにけろっとしていた。 


「ありがとう。ソフィーちゃんのおかげでリラックスしてできたよ」

「リラックスって……」

 ソフィアは討伐隊の精神的惨状を見た。駄目そうだと思った。

「それよりもシンディ、魔力は大丈夫?」

「平気平気。今のも発動したしね」

「相変わらずバカみたいな魔力量ね……。少し引くわ」


 ソフィアは頬を引きらせながら、「胸と魔力量って比例するのかしら。お師匠さまも大きいし……」と二重の意味で落ち込んだ。


「さて、それじゃあわたしはサクッとゴブリンキングを倒してくるね」

「わかったわ。あたしは騎士団の人たちと残ればいいのよね」

「うん。お願い、ソフィーちゃん」

「任せなさい。それと、シンディも一応気をつけなさいよ」

「ありがとう。行ってくるね」


 『灰渡り』で一気に山を登っていくシンデレラを見送り、ソフィアは騎士団たちに振り返った。


「それじゃあ、ここからが本来お願いしていたお仕事の時間よ。シンデレラが討ち漏らしたの、あたしたちで倒すわよ!」


 少女の言葉を軽んじる者など、もう誰もいなかった。



   

 



 




 

 


 

 

 

 


 







 

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