彼女と屋上で話す(2)
彼女の事を抱きしめながら、僕は自分に起こった事を考え始めた。それは辛い辛い記憶であり、考えたくも無い。でも、彼女が話してくれたから僕も話そうと思う。今のうちに何を話すか考えておくために記憶を漁り始めた。
半年前
僕が高校二年生が始まってから、そこから地獄だった。お母さん達はこの学校出身だし安全だと思っていた。友達も1人そこに行たし高校二年生が始まりしだい青春を謳歌する気でいた。だが、僕たちは思い知ったヤバイ人間がここにもいた事を。最初は僕と友達の
でも陽キャグループのリーダが葵に目をつけ始めた。全ての始まりはそこからだ。葵も俺も名前が女っぽい。そう、それはいじめの対象としては十分だった。最初は葵が金をせがまれ何もできず渡していた。それが許せずそこに僕が割って入った。あいつらに「俺の友達をいじめるな」と勇気を振り絞って言った。お察しの通り、そこから先は僕がいじめの対象になってしまったのだ。金をせがまれても俺は毎回拒否していた。あいつらは金を得るためだったらなんでもしていた。それにより、俺は暴力を振るうようになった。ある時は腹に風穴が開くかと思うくらい一カ所を殴られ蹴られ。ある時は一人が僕を支えほこの奴らにサンドバッグにされたりしていた。またある時は無限に暴言をはかれ人格否定させられた。彼らはそれを楽しみ笑いながら僕を殴って暴言を吐いた。
これをどうオブラートニ包もうか考えていると、彼女は泣くのを止めていた。僕は抱きしめていた手をそっと離すと彼女の顔が真っ赤なトマトになっており、湯気を出していた。そして、僕がした事に気づく。僕は彼女のことを抱きしめていた、そう抱きしめていたのだ。その事に僕の顔が熱くなっていくのを感じている。気まずい空気が流れ僕らはお互いの顔をみ合うことができずにいると。彼女がこの空気を打開するために僕に質問を放った。
「そういえば赤羽君はなんで屋上に来たの」と神崎先輩質問してきたオブラートに包もうとこう答えた。
「僕も実はいじめられててね、そんな大したことじゃないから気にしないで」そう取り繕った笑顔で彼女に答えた。
「嘘」彼女はそう僕に言った。
「だって目が笑ってない、逆に辛そうにしてる」気づかれてしまった、僕は嘘がつくのが下手らしい。そう自分のことを笑っていると彼女は手を広げて僕に言った。
「別に言いたくないんだったら、言わなくて良いよでもつ辛いんだたら私に抱きついていいよ。貴女がさっき支えてくれたから今度は私の番。おいで………」彼女の甘い声に誘われ胸を借りた。僕は彼女だけに聞こえる声で、でも全てを吐き出すくらい泣いた。人の温もりを久々に感じ、彼女のことがもっと好きになっていくのを一人そこで自覚した。
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