屋上にいた君に恋をする

あずき

屋上で一目惚れする

 もう辛い、こんな世界は嫌いだ。



 そう気力もなく、身体中の痛みを感じながら階段を歩いていた。常に学校でびくびくおびえながら過ごしている日々に耐えきれなくなり屋上へ向かっていた。


 もう生きる意味など感じずおもたい腕でドアのぶを掴む。



 下を向いて足を引き摺るような感覚で歩いているとそこには黒い影があった。正面を向いてみるとそこには少女の背中が見えた。見た事があるが誰だかわからない、たぶん学校の誰かだろう。



「最悪だ」と心の中でため息をつきその場をさろうとした。だが微かに違和感を感じた。



 よくよく考えてみると彼女はフェンスのではなくにいた。。僕が死ぬのは構わないが人が自殺しようとしているところを見過ごす訳がない。すぐさま僕は彼女の事を確認し走り出した。



「君待って」そう声をかけると彼女はビクッと肩を動かしこちらに顔を向けてきた。彼女の顔はとても整っており、とにかく可愛い。僕の好みのどストライクであり今まで見た人の中で一番可愛い。


今はそんなことを考えないよう抑え込、無我夢中で走った。そうして彼女の手を握る、落ちないようにである決して下心があったわけではない。近くによると彼女からいい匂いがしてくる。僕は顔を赤くして彼女に伝える。



「好きです付き合ってください」パニックすぎて正常な判断ができなかったがこれで彼女も今すぐ飛び降りることはないだろう。


だが、自分が今告白したと実感するのに時間はかからず気づいたときに顔から湯気が出ていた気がした。



「えっ」彼女は素っ頓狂な声を出し顔を赤らめ始めた、考えてみると自分がどれだけヤバいことをしたのかに今更気づく。


彼女からしてみれば知らない人が急に現れ告白をし手を握っている。とてつもなくキモいやつである。


そのことに気づいた僕はすぐに手を離そうと考えたが彼女が、彼女がそこにいる限り離すこともできずこう呟いた。



「とりあえずフェンスの内側入ってくれない」と手を離しながら彼女に告げた。そして彼女が足を上げたときに彼女のスカートの中が見えてしまった。


それに気づくとすぐに僕は視線を逸らした。コーン色のものを使っていてそれが頭から離れず鼓動がどんどん早くなっていく。視線を戻してみるや否や彼女の顔はトマトみたいに真っ赤になっており。



「変態」



「いや……今のは不可抗力じゃないですか」と声が消えそうになりながら呟く、その後気まずい空気が流れ出すと彼女は急に笑い出す。何が何だかわからないから彼女に問いかけた。



「っ!なんで笑いだすんですか」もう頭はパニック状態で何も考えられなくなっていた。



「だって急に告白して手を繋いだと思えないような弱々しい声が急に出てきたから、もうおかしくておかしく」と笑いを堪えようとするその子に見惚れてしまっていたことは内緒である。

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