今宵まだ 切らぬ檸檬の静寂(しじま)にて

今宵まだ 切らぬ檸檬の静寂(しじま)にて










 母が隣の家から檸檬を一枝もらってきました。

 枝についた実を、枝ごともらってきて、キッチンのカウンターに置いてあるのです。

 何かのインテリアみたい、と思いながら、柑橘は好きでも、檸檬は酸っぱすぎてそのままでは食べられない私は、この檸檬が切られて、絞られる日を、待っていました。

 食べられない間は、その酸っぱさも、沈黙しています。

 その後、その檸檬は、お鍋になりました。

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