願わくばこの手に幸福を(ショーン田中)

(あらすじ)

 救世の旅に同行を続けるルーギス。

 その中で彼の役割は、雑用や夜番。

 女達からは疎まれ、冷たい視線を与えられる日々。


 だが幼馴染のアリュエノの存在だけが、彼をパーティに繋ぎ止めていた。

 例え、彼女が救世者と呼ばれる男に心奪われていたとしても。


 失意と惰性の日々。

 そんな中に訪れた影は告げる。


 「貴様に機会を与えてやろう。全てを塗りつぶし、人生という絵画を描き直す機会を!」



(感想)

他の英雄譚とは一線を画す作品です。web小説のみならず、英雄といえば、この主人公が浮かぶ位には素晴らしい出来です。格が違うとはまさにこの事。コレを読んでしまうと大抵の英雄譚モノがチープに感じてしまえるくらい壮大で重厚な作品です。この作品だけで終わっていたならこの作者は間違いなくランキング入りしていたでしょう。雰囲気はシリアスなのですが、主人公に対して激重感情を拗らせていくヒロイン達の頭脳戦が良い感じにそれを中和して読みやすくしてくれます。ちんけなハーレム物ではなくヒロイン達は自分以外のヒロイン達に対して髪の毛一本すら渡そうとせず、様々な恋に狂った女性の姿をうまく描写しています。そこが逆にリアルで、語り切れないほどの素晴らしいさが詰まった名作です。

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