甘々な百合あやめっち

ヤッキムン

ロンドンからパリ

「あやめっち、好きやーっ」

さよりんは、いつも、あやめっちをギュッと抱きしめている。


あやめっちはロンドン生まれ。


さよりんは近くに住んでる日本人の女の子で2つ年上。


「あたしも、さよりんのこと、めっちゃ好きやで」

「えーっ?ほんまー?うれしいわー!よしっ!今日もテムズ川沿いに散策に行くでー」

「わーい!」


「あっ!鳥やー!」

「ほんまやー!」

あやめっちも、さよりんも、空を飛んでる鳥を見るの大好き。


あやめっちのママも、さよりんのママも、大阪の人やから、ふたりとも大阪弁でしゃべる。


3歳の時、あやめっちはロンドンからパリに引っ越すことになった。

「あやめっち!パリ行っても、うちのこと忘れんといてなっ」

「うんっ!忘れへんよ」

さよりんは、あやめっちのことをずーっと抱きしめていた。


☆☆☆☆☆

パリに行って、あやめっちはピアノを習いに行った。

まわりみんな女の子。


ピアノの女の先生は、ふだんは優しいのに、ピアノのレッスンはめっちゃ厳しい。

あやめっちの弾いてる時、あやめっちに対して、めちゃめちゃ厳しい。


そんな時、あやめっちの斜め前に座ってるマーリアちゃんは、あやめっちのことを優しく見つめて応援してくれてる。


あやめっちはピアノレッスンの帰り、マーリアちゃんに話しかけてみた。

「マーリアちゃん、弾いてる時いつも見ててくれてて、ありがとー」

「あはは、先生きびしいからなー」

「でも、ピアノにきびしい先生は好きやで」

「うちもー」


マーリアちゃんはパパはフランス人やけど、ママは日本人、それも京都の人やから、マーリアちゃんも関西弁でしゃべれる。


幼稚園に行ったら、マーリアちゃんもいた。


「あっ!マーリアちゃんやー!こんにちはー」

「あーっ!あやめっちやー!こんにちはー」


「やったあああ!マーリアちゃんといっしょの幼稚園やあ!めっちゃうれしいー」

「うちも、あやめっちといっしょで、めっちゃうれしいー」

「あはははは」


「あやめっちー!オルセー美術館行かへん?」

「え?オルセー美術館?なんで?」

「ヴィーナスさんの絵、観に行きたいねん」

「ヴィーナスさんの絵?」

「うんっ!ヴィーナス誕生の絵!」

「ええよっ!行こうー」


ふたりでヴィーナス誕生の絵のところに行った。

「うわっ!めっちゃ可愛い!」

「ほんまや!マーリアちゃんみたいやわ」

「ほんまに?」

「ほんま、ほんま!」

「やったあ!うれしいわー」


そして、あやめっちとマーリアちゃんは、いっしょに小学生になった。


☆☆☆☆☆

小学4年生になる時に、あやめっちは大阪の小学校に転校することに。


「あやめっちー!うちも、そのうち大阪行くから待っててなー」

「うんっ!待ってるよー!ぜったい来てなーマーリアちゃん!」












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