交差する運命

「そういえばアリアちゃん」

「はい?」

「確かアリアちゃんはあの孤児院の院長を継いであの町で一生を終えると言ってたよな?」

「ええ」

おじさんの問いにアリアはそう返す

「そうなるとあの町や周辺の村町で伴侶を見つけることとなると思うけど1人ぐらい気になっている子はいないのか?」

「え?なんでいきなり?」

「あの町じゃよく話題に上がる話だ。アリアちゃんの伴侶は誰になるだろうって」

おじさんは面白そうにそう言う

「私は胸も無いし、顔も良くないですから難しいでしょうね」

アリアが自分の壁のような胸を触りながらそう言うと

「十分アリアちゃんは魅力的な子だと思うけどな。少なくとも俺があと20若ければアリアちゃんに求婚していただろうな」

「うれしいです!」

「アリアちゃんはどういう人と結婚したいとかそう言う考えはないのか?」

おじさんがそう聞くと

「え?う~ん」

(高身長とか?いやどうでも良い。強い?どうでもよ。イケメン?私よりもイケメンな人いないでしょ)

「無いわねー」

「おいおい、、、もしかして女が良いのか?」

「それタブーですよね?サフラン王国とセラフ神聖国じゃ即刻死刑でエーテル王国でやエモクロア共和国でも法には記されてはいなくても忌み嫌われてるって院長に教えてもらいましたよ。院長は人を縛る悪習だと珍しく怒っていましたね」

アリアはそう苦笑いして言う しかし

(女の子と恋愛か、、、私は別に男でも女でもって感じね)

アリアは恋人の性別はどちらでも良いようだ

「同性恋愛が許されているのは魔国だけ、、、あっ!あと最近有名なヤマトも大丈夫なはずだな」

おじさんがそう呟くと

「ヤマト?」

聞き覚えの無い国名にアリアは首を傾げる

「ほらこれ5日前の新聞だ。着くまでに読んでな。読むことは出来るだろ」

そんなアリアにおじさんは新聞を渡した

「ありがとう」

(活字嫌いなんだよね、、、まー、暇だし読んでみるか)

そうしてアリアはバランへ着くまでの間新聞を読むのであった


セラフ神聖新聞 6/15


セラフ神聖国聖騎士団教皇直属部隊長の息子 極東の国を悪魔教団から救う

 4月、教皇直属部隊 通称ホワイトリリィー隊長のフレデリカ・エルピス様のご子息であるエレボス・エルピス様が母親の背を追って一国を落としかけた悪魔教団を討伐し国を救ったことが判明した。

 極東の国ヤマト皇国は3年前より悪魔教団によって国自体を蝕まれていた。本来は神聖教会の恩恵にあればそのような事態には陥らないのだがヤマト皇国は国外との関係を極度に断っており教会の恩恵を受けていなかった。そのため教団は数年前にエモクロア共和国で広まり5万人という多数の死者を生み出した魔素病を広め当時の皇帝を実質殺害した。幸いその次に即位した当時9歳の皇帝の才覚とフレデリカ様の幼い日の仲間の1人により3年の間ヤマトはどうにか落とされることは無かった

 そして今年の4月、エレボス様は親子喧嘩が原因で3月のエーテル王国でのベルムート事件でフレデリカ様が家を離れたすきに家出をし何らかの目的をもってヤマト皇国に単身入国。そこで魔素病に苦しむヤマトの民や魔素病がヘルメス家長女誘拐事件の影響で狙われていた悪魔教団によるものだと知りエレボスは様は剣を抜きヤマトの皇帝や重臣と協力し精鋭2万の軍を率い悪魔教団と激突。魔解を習得した総裁司教ウェスタ(推定される強さは中位聖騎士以上)を単身で撃破。さらに周囲の人間を守り切っての勝利というフレデリカ様の圧倒的な強さの影を感じるその力を示した。その後訪れたフレデリカ様とお会いしたエレボス様はその場から逃走し現在行

方不明だ。フレデリカ様並びに神聖教会は

[我が息子、エレボスを捕らえ神聖教会及びセラフ神聖国にその身柄を受け渡したものには白金貨5枚を褒章として渡す。また複数人で捕えた場合は多少の上乗せする事を誓う]

と指名手配を掛け現在もエレボス様を探している。

ヤマトはその後エレボス様の母君ということもありフレデリカ様のお言葉からセラフ神聖国との関係を築く予定で2か月の間に話はかなり進んでいるようだ。

 魔愛の勇者としてエレボス様への期待が高まる

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